ワールドカップ南アフリカ大会準々決勝 ブラジル-オランダ戦は、まさに最高の試合だった。
少なくとも記憶にある限り、見た中で最高の興奮と感動を与えてくれたと思う。どうしてもある種の重苦しさと緊張がともなう日本代表の試合とは異なり、純粋に試合を楽しむことができた。
私が試合のことを論じても何の意味もないが、なぜか文章にしておきたくなった。
前半は完全にブラジルのもの。あのオランダが為す術も無く、ブラジルの選手がピッチを支配し圧倒する。それにしても、なんという技術、スピード、判断力、局面打開のクリエイティビティか。
パッと目を惹くのはスピードだろう。決して遅くないオランダの選手たちがついていけない。ブラジルの大型ディフェンダーがスピード豊かに駆けあがり繰り出すパスの何と正確なことか。かと思えば、あのロッベンのコースを完全に消してしまう。抜くことも、パスすることも、ましてやシュートも前には飛ばさせない。
地味であるはずのトラップやパスの基礎技術が素晴らしい。よくあんなところを完全なタイミングでパスを通すものだ、パスだけで見ていて何度も声を上げてしまった。どんな玉でもスッと収まるトラップもあわせて、ブラジルとスペインの2強が基礎技術でも2強なのではないだろうか。
全く次元が異なる。そんな感覚が観るものを魅了する。
ところが、後半に事態は一変する。この完璧なブラジルのほころびを、じわじわと泥臭くオランダが崩し始める。オランダは極めて幸運であったとも思う。2つの得点はいずれも運なしには生まれていない。
それにしても、前半は完璧であったブラジルが全く別のチームのようにバランスを崩し、焦り、チームとして機能しなくなってゆく。それでもスーパースターたちの個人技で打開を図るが、それをガチガチと阻むオランダ。これが試合の流れというものなのか。
恐らくはオランダの選手たちもある種の絶望感すら感じたのではないだろうかと追うほどの前半の逆境から諦めること無くファイトし続けたオランダは最高の賞賛に値する。ハーフタイムで立ち直ったのだとすると、監督やチームメイト、スタッフのベンチワークも見逃せないのだろう。
これぞ世界!
できる事なら、どんなにボロボロにされていたとしても、岡田ジャパンにこのレベルのチームと戦わせてみたかったという思いが湧いてくる。
最後に、この難しい試合の主審を務めた西村さんは、凄い!