Web2.0という言葉を聞かなくなった。

つい2年ほど前にはあれほど聞いたり本や雑誌で見た言葉を発する人がめっきりいなくなってから、もう結構な時間が過ぎているような気がする。実はこのところ、この手の話題を私自身が余り追わなくなっていたので、気にもしていなかったが、ちょっと考えてみようと思う。

そもそもWeb2.0の定義がちゃんと理解されないままトレンドの流行語的に扱われてしまったので、流行モノらしく表舞台からは消えていったようだが、それ以降何かが変わってしまったのかというと、そうではなく、インターネットやWebの世界は今もWeb2.0のフェーズにあると考えた方が正しいと思う。

Web2.0論議が華やかしき時代に、もうすぐWeb3.0が来る、なんて物知り顔で言っていた方がいたけれど、どうしたのだろうか。

Web2.0の解説を今更もう一度やる気にもならないが、幾つかのキーワードを思い出すことから始めてみよう。

代表的なキーワードが「ロングテール」。これについては少し述べたいことがあるので、いつか別のエントリで語りたいとも思っているが、ロングテールは今もまだまだネットの世界では有効な現役である。そもそも、ロングテールはスケールフリーのネットワークと在庫の無いデジタルコンテンツやアマゾンのように在庫が実質的に無視できる流通方式が検索によって結びつけられて出来たような現象だから、現役なのは当然だろう。

次に思いあたるキーワードは「ユーザー参加」 これは、ブログやSNSでもうあたりまえ。

そして、「永遠のβ」・・・またバージョンアップですが、何か?

そう、Web2.0はあたりまえのモノになっているということだ。

そこで、ちょっと気になってきたので、2年ほど前に買った本を引っ張り出してきて、見直してみた。

Web2.0の7つの原則:
1.プラットフォームとしてのWeb
2.集合知の利用
3.データは次世代の「インテル・インサイド」
4.ソフトウェア・リリースサイクルの終焉
5.軽量なプログラミングモデル
6.単一デバイスの枠を超えたソフトウェア
7.リッチなユーザー経験

なんだか、懐かしい言葉のようだが、今見直しても意味深い。そして、気がつくのは、今となってはすごく当然と言えば当然のことを言っているのである。すごく本質的なことなのかもしれない。だとすれば、これらは流行モノではないということだ。

今の世の中のネットで、これら総てが既に満足されているかと言えば全くそんなことはない訳だから、まだまだこの方向でビジネスを成功させることは十分にできる訳だ。

しかし、ふと全然別の企業の名前が頭に浮かんだ。今の100年来の不況といわれる状況下でも営業利益を過去最高益を更新してしまう例の会社のビジネスは、なんとこのモデルとはかけ離れていることだろうか。もちろん、Webビジネスの会社ではないから、当たり前かもしれないし、Web2.0の公理がネット以外では通用せず、他の成功要因が存在するという証拠でもある。

ただ、個人が個人をどんどん主張できるようになり、多様な商品があふれ、ワガママになるに連れ、ユーザーとして満足のできる質の高い「ユーザーエクスペリエンス」を提供するということが真の価値であり、成功の要因であるということは共通しているように思えるのである。