ロンドン留学中、10ヶ月間非常にお世話になった方がいます。
ギリシャ人のコモドゥロモウ一家です。

僕はこの家の1部屋を間借りする形で、ここにお世話になりました。
部屋はハッキリ言って広くはなかったけど、というより家自体も小さかった。だからなのかも知れないけど、みんなで寄り添うみたいな感じで温かった

そこのマリアおばあちゃんはとっても優しい人で、何かと僕に優しい言葉をかけてくれた。
外国人として暮らすことのつらさを彼女自身も経験してきたせいか、僕が外国人としての壁にぶつかっていることを察して、とにかくリラックスさせてくれた。

歌をやっていることを知ると、毎日ハチミツ入りの紅茶を作ってくれた。

「ヒデキ、ハチミツはのどにいいのよ。」
もちろん知っていたけど、

「本当?!ありがとうマリア!ありがとう!」

いつも緊張していた僕が、ロンドンで初めて「僕には帰る場所があるんだ」と思わせてくれた場所。


食事は自炊という契約を結んでいたけど、しょっちゅういろいろな物をもらったり、料理してもらった。

「ヒデキ、あなた歌詞も書くのなら、この場所に行きなさい。絶対何か得るものがあると思うわ。」

「ヒデキ、たまには羽目をはずすことも忘れてはだめ!あなたは真面目だから、安心してこんなこと言えるんだけど。」


わずらわしく思うことは無かった。

とにかく彼女を喜ばせたいし、いろいろ話をするためのネタが常に欲しかった。
家にいるときは本当に楽しかった。





でも、帰国をすると決めた時はすごく悲しかった。

もう会えないんだ・・・


空港に向かう日の朝、長いこと彼女とハグしていた。

「ありがとう、ありがとう・・・・」何度も何度も言った。


彼女は本当にマリアだった。


僕が留学中学んだもっとも重要なことは、英語でも音楽でもなかった。


人を受け入れ、いつも明るく優しく、笑顔で接することだった。