記憶はあてにならないわ。

 

【日付】 2019年10月13日(日)
【監督】 是枝裕和
【出演】 カトリーヌ・ドヌーヴ(ファビエンヌ・ダンジュヴィル)、ジュリエット・ビノシュ(リュミール)、イーサン・ホーク(ハンク・クーパー)、リュディヴィーヌ・サニエ(アンナ・ルロワ)、クレモンティーヌ・グルニエ(シャルロット)、マノン・クラヴェル(マノン・ルノワール)、アラン・リボル(リュック)、クリスチャン・クラエ(ジャック)、ロジェ・ヴァン・オール(ピエール)
【評価】 3.5 ★★★☆
 
国民的女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)の自伝本「真実」の出版を祝うため、家族が集まる。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、ファビエンヌのパートナーと元夫、秘書らが集まっていて、皆彼女が何をつづったのかが気になっていた。自伝は、隠されていた母と娘の間の愛憎渦巻く真実を明らかにする。(シネマトゥデイ)

 

 

是枝監督の最新作です。

まさかのフランス映画、しかもフランスが誇る名女優・カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えてってんだから予想外で驚いた。

やっぱ「万引き家族」でカンヌ・パルムドールを獲ったってのが大きいよなぁ。すっかり国際的な名監督になったってことだ。

話題にはなってるようだが、正直言うとカトリーヌ・ドヌーヴをよく知らないから、この偉業があまり響いてこない。

 

名前くらいは聞いたことがある。でも、たぶん一作も観たことないかもだ。

もう一人、彼女の娘を演じるジュリエット・ビノシュも有名なの?(PCの予想変換で出るくらいだしw)

もっと知らん。見覚えもないわ。

この2人が共演ってのでも話題だが、知ってると言う点で、彼女たちよりもイーサン・ホークと仕事してる!!って方に尊敬を覚えたわ。

 

で、そんな名優たちを集めてのストーリーだが、是枝監督が何かのインタビューで、『今回は軽やかなハッピーエンドにしたいと思っていた。』と言っていた。

確かに、そんな感じだった。

是枝作品と言えば、社会的な問題に一石を投じるような、そして重厚で重苦しい・・・そんな印象の作品が多い気がする。

そこが、個人的に合わないのか、いい作品と思っても、満点5つ★!となったことはない。

 

ありがちな表現をすれば、壊れた家族の再生だ。

是枝作品でもありそうなプロットだ。

けどね、『軽やかな』ってキーワードが生きてるのか重くないのはもちろん、最初からそこまで壊れてるとも思わない。

母親が離婚や浮気を繰り返す、事実婚・・・みたいな自由な結婚観は、フランスらしさなのかもと思うところもある。

そして何より非常識こそ常識の女優という職業が、すべてを納得させてくる。

 

樹木希林の代わりにカトリーヌ・ドヌーヴ・・・という話も耳にしたことがある。

自由、大女優って点では通じるものがあるが、まったくの別人。

けど、きっと是枝監督は、こういう大御所女優さんが好きなのかもしれないな。あと子役とw

カトリーヌ・ドヌーヴを知らないのでテキトーなことを言うことになるが、聞いてる話だと、劇中のファビエンヌと似てる面が多そうだ。

家族を顧みず、女優に人生を捧げる。そんな過去が、今になっても娘とのすれ違いを生んでいる。

 

けど、大げんかするわけでもない。問題の自伝小説だって、そこまで焦点にならない。

あれ?あれれ?といつの間にかふわっと円満に終わっていく。

あぁ、ホントだ、『軽やかなハッピーエンドだ』。

親友でありライバルであったサラという女優を、ファビエンヌが主演する映画の若手女優に重ねて、そして母娘の関係すら重ねて、間接的に表現する構成は巧い!

そこから終盤に急にファビエンヌが変わったな。

キャスティングのわりに派手さのない、素朴ないい作品ってとこだ。

英語とフランス語を使い分けてるので、字幕版を観る方がベターだ。