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君の詩は、リズムそのものなんだ

【日付】 2019年1月12日(土)
【監督】 佐々部清
【出演】 大森南朋(北原白秋)、AKIRA(山田耕筰)、貫地谷しほり(菊子)、松本若菜(松下俊子)、小島藤子(記者)、由紀さおり(NHKラジオ第一回放送「からたちの花」歌手)、安田祥子(NHKラジオ第一回放送「からたちの花」歌手)、津田寛治(菊池寛)、升毅(秦彦三郎)、稲葉友(室生犀星)、伊嵜充則(高村光太郎)、佐々木一平(萩原朔太郎)、柳沢慎吾(鈴木三重吉)、羽田美智子(与謝野晶子)、松重豊(与謝野鉄幹)
【評価】 3.5 ★★★☆

大正7年(1918年)、独創的な作風で天才詩人と称される北原白秋(大森南朋)は、児童文学誌「赤い鳥」の刊行者・鈴木三重吉(柳沢慎吾)を介して音楽家の山田耕筰(AKIRA)と出会う。当時、子供たちのための歌がドイツ童謡を日本語訳したものか伝承のわらべうたしかなかったため、鈴木は二人に童謡を創作するよう持ち掛ける。彼らは衝突を繰り返しながらもお互いの才能を認め、「からたちの花」「この道」「待ちぼうけ」「鐘が鳴ります」などの童謡を生み出す。(シネマトゥデイ)


イメージ 1大森南朋が主演か…
まぁ、大森南朋はわりと好きだからまだここはいいとして、ダブル主演でEXILEのAKIRAってのがねぇ~~
ファンには申し訳ないけど、役者としてあんま興味がないッス。

というキャストが渋め弱めに加え、描く人物が北原白秋!?
予告でチロっと観たけど、観るまでは北原白秋って単語、すっかり忘れとったわ。

イメージ 2詩人??代表的な詩って何だっけ?
そりゃ、教科書でも習った気がするけど、具体的に覚えてないんだなぁ。

なので、童謡『この道』が彼の作詞だったと知って、そうだったのか!?と新鮮に驚けた。
まぁ、あの歌が童謡という認識もあんまなかったけどね。

そんな感じで、σ(・ω・。)がかつて学んだ浅い知識、単語を思い出させ、それらが思わぬ繋がりを見せてくれるのが面白かったな。

イメージ 3例えば、序盤の飲み屋で仲間が集まるシーンだ。
高村光太郎、石川啄木・・・知ってる!
彼らの代表作が何かはこれまた思い出せないのだが、文学史に名を刻む偉人が芋づる式に出てくるのは多少なりとも興奮を覚える。

残念ながらそれらの人物は、一瞬出てきただけだった。
もっとストーリーに関わってほしかったな。
その一方で、与謝野鉄幹、与謝野晶子の夫妻!

イメージ 4鉄幹は名前しか知らないが、さすがに与謝野晶子は知ってるよ。
『みだれ髪』、『きみ死に…』だよね。
ご丁寧にそのフレーズも出してくれるのが興奮ポイントだ。
こっちはけっこうストーリーに要所要所で関わってくる。

そんな偉人たちの中心にいたのが北原白秋だったわけだ。
『時代の寵児』なんてもてはやされるほどの人物だったとは知らなかったし、やっぱね、北原白秋=地味な印象があったから、信じられなかったね。

イメージ 5ところがところがだ、地味どころか破天荒な人物だった。
そこがこの作品の見どころだ。
『この道』にしても、他の数多くの童謡を作った人物が、姦通罪で捕まるようなやんちゃ者だったとはね。

そもそも詩人という職業がなぜ成り立つのかピンとこない中で、それが今度は童謡を次々と・・・というのも不思議に思えた。
けど、耳にした事のある有名なフレーズ、『ぴちぴちちゃぷちゃぷ』、『ねんねこねんねこ』、『まちぼうけまちぼうけ』、『ちゃっきりちゃっきりちゃっきりな』なんかが聞こえてくると、あぁ~~!!となる。

イメージ 6彼の詩はリズムがある…と何度か言われてるが、確かにそうだ。
けど、ただの繰り返しじぇね?ともね(笑)

そんな中でドイツ帰りの音楽家山田耕筰(こっちはまったくの初耳)と出会って、童謡作りに一層励むのだが、冒頭と後半に出てくるだけなので、北原白秋のサポート役だな。
ちなみに、冒頭のAKIRAの老けメイクのデキが悪い。

終盤、つまり晩年は大きな動きもなく、文学界全体が戦争の波に飲まれていくのでより地味で眠かったな。
やっぱ全体的には地味だ。文学史に詳しいともっと楽しめるかもしれないが。