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引き返せば僕は破滅だ。見通しは絶望的だ

【日付】 2019年1月12日(土)
【監督】 ジェームズ・マーシュ
【出演】 コリン・ファース(ドナルド・クローハースト)、レイチェル・ワイズ(クレア・クローハースト)、デヴィッド・シューリス(ロドニー・ホールワース)、ケン・ストット(スタンリー・ベスト)、マーク・ゲイティス(サンデータイムズ編集長)
【評価】 3.5 ★★★☆

1968年のイギリス。ヨットでの単独無寄港世界一周を競うゴールデン・グローブ・レースが行われ、経験豊富なセーラーたちに交じってビジネスマンのドナルド・クローハースト(コリン・ファース)も参戦する。レース用のヨットを所有していないドナルドの挑戦に、スポンサーが名乗りを上げ、ドナルドはスタートするが、海上では自然の猛威と孤独に苦しめられる。(シネマトゥデイから)


イメージ 1予告は一度も観ていない。
だが、久しぶりにコリン・ファースがドンと主演なので、それだけで観ようと思っていた。
観る直前に、ヨットで世界一周をした男の自伝映画みたいな感じだと知った。
なるほど、ヨットで漂流みたいな作品はあった気がするが、世界一周、海のロード―ムービーみたいなもんだ。冒険心もくすぐられる。
・・・な~~んてほんのりと期待していたのだが、まさかまさかの展開に唖然としてしまった。

イメージ 2もうね、途中から観てて心が締め付けられるような、苦しく、嫌~~~な気持ちにさせられた。

冒頭の英雄を見て、触発されての生粋のヨットマンだと思ったね。
ところが、ビジネスマンじゃん。
レースへの参加もスゲー打算的だ。
発明家だから、まさか!?というのも期待した。
エアーバッグ?すげーな、なんだそりゃ!?

イメージ 3そういった秘密の装備の活躍や失敗も見どころだと思ったな。
けど、ただの自称発明家?発明好き?
宣伝とか言って、海ナメすぎだって~~
けど、スタートにこぎ着けるまでも、企画力はすごいんだよな。

出発直前になってもあんな感じだし・・・
あんな嫌々レースに担ぎ出される偉人なんて聞いたことがないわ。

イメージ 4だけどぉ~・・・と思ったんだけどね。期待したんだがね。
素人ゆえのドラマがあると。

そりゃ、周りが追い詰めたところはあっただろう。
それでも大人としての、夫や父親としての責任やプライドはどこにいったんや。
ただただ、アホが海ナメた挙句に・・・としか見えんかった。
そりゃね、結果、1年近くも海で過ごしたんだから、それはそれですごいんだよ。

イメージ 5だったらもうちょっと何とかならんかったのかなぁ?
けど、挙句にまさかあそこまでするとはね。
まさに死ぬも地獄、生きるも地獄だ。
そして、想像しうるどっちの姿を観るのもつらそうだ。

やっぱ精神もきちゃうんだな。そんな描写もあった。
その結果と見ることもできるが、やっぱ逃げたんだよな。無責任に。
かわいそうだけど、やっぱ嫌悪感の方が強いかもなぁ。

イメージ 6嫌悪感が強かったので、コリン・ファースの演技をじっくり楽しむという感じではなかった。
あぁ、撮影は過酷だっただろうな・・・とは思ったが。

レイチェル・ワイズが美しい。
美しく、どこまでも強い優しさと意思の強さがあって。あの夫にはもったいない。

でも逆人に言えば、嫌悪感だろうが、あのどうしようもなく息苦しい感じがひしひしと伝わってきたってのは、よくできた作品でもあったってことだ。
邦題、爽やかすぎだって。
原題は『THE MERCY』=慈悲じゃん。