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忌まわしい事件が再び起きる

【日付】 2017年5月6日(土)
【監督】 ダニス・タノヴィッチ
【出演】 (ジャック)ジャック・ウェバー 、(ラミヤ)スネジャナ・ヴィドヴィッチ 、(オメル)イズディン・バイロヴィッチ 、(ヴェドラナ)ヴェドラナ・セクサン 、(ガヴリロ・プリンツィプ)ムハメド・ハジョヴィッチ 、(ハティージャ)ファケタ・サリフベゴヴィッチ=アヴダギッチ 、(エド)エディン・アヴダギッチ 、(エンゾ)アレクサンダル・セクサン 、(リヤド)リヤド・グヴォズデン
【評価】 3.0 ★★★

第1次世界大戦開戦の引き金となったサラエヴォ事件から100年後の2014年6月28日、その現場からほど近いホテル・ヨーロッパで記念式典が行われる予定だった。ジャーナリストは屋上で戦争に関する取材を行い、式典に招待された大物は演説のリハーサルに余念がない。一方、賃金の未払いに業を煮やした従業員たちはストライキを計画する。(シネマトゥデイ)


イメージ 13月末に公開された作品のようで、もう1か月ちょっと経ってるからスルーしようかとも思ったが、一度だけ観た予告に魅せられて行ってきました。

舞台となるのはボスニア・ヘルツェゴビナの首都、サラエヴォの高級ホテルだ。
すべてのドラマはこのホテルの中で起きる。
EUの式典、ホテル従業員のストライキ、暗殺者・・・予告だともう1つ要素があると言っていた気がするが、これらの思惑が同じ日の同じ場所で交錯するというのがすごく面白そうだと思ったんだよね~~
だけど・・・ あれ?

イメージ 2サラエヴォと言えば“サラエボ事件”、うん、歴史で習ったような気がする。
世界史は好きだったが、それがどんな事件だったかは覚えてない。
第一次世界大戦の引き金になった!?
屋上でジャーナリストが次々と識者を相手にインタビューしてた、英雄だかテロリストだかのプリンツィプって、その“サラエボ事件”のことなの!?

期待した交錯するドラマよりも印象に残ってるのは、この“サラエボ事件”に関する演説だ。屋上のインタビューでも、VIPルームのスピーチの練習でも、かなりの尺をこれにさいている。

イメージ 3ホテル内を忙しく歩き回るスタッフを後から追うような長回しのカメラワークが多用され、臨場感を大切にしているのがよく分かる。
BGMもほとんど使わないシンプルな演出もそういう意図だろう。

だから、まくしたてるような討論やスピーチがBGMの代わりとなり、場に少しの緊張感を与えている。
それでもやっぱ長いな。
さっきのカメラワークもだか、間を恐れずたっぷりと見せる。
あの討論もある意味、間みたいなもんだ。真剣に内容を聞かないならことさら。

イメージ 4こういうシンプルな演出は嫌いじゃない。
だが、結局、緊張感を積み上げられなかったのが痛すぎる。

3つ?4つ?の事件が同時進行する緊張感の先に期待するのは、それらの相互作用だ。
いわゆるこれは群像劇のような一面があるんだから、それがなきゃただの垂れ流しだ。
がしかし、その恐ろしい垂れ流しが起きてしまった。
有能なホテルスタッフとして奔走する彼女の働きっぷりを見ていただけに、彼女への最後の仕打ちは怒れるものがあった。

イメージ 5屋上の暗殺者とジャーナリストは、関係性がよく理解できなかった。
だが、暗殺者が“サラエボ事件”よろしく事態のきっかけになるのは間違いないとは思ったが、あんな最後かよ~!?彼女のどういう心境だ?

バックヤードで準備するストライキ組の出方も興味があったんだけど、どさくさん中で一瞬んじゃん!なんだそりゃ!!
結局、あのクズの支配人が締めるのかよっ!!
あのラストはやり逃げだな。驚いたわ。
結局、こんなくだらない行き違いで、それまでのすべてが水泡に帰すってことが言いたかったん??
あ~~~、期待ハズレ!!