
すべてを求める人は、何一つ獲得できない。 ゲーテ
■ 鑑賞日 平成26年3月21日(金)■ 作・演出 = 三谷幸喜
■ 出演 = 小日向文世 段田安則 渡辺徹 吉田羊 シルビア・グラブ 新妻聖子 今井朋彦 小林隆 平岳大 秋元才加 小林勝也 風間杜夫
1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に、宣伝大臣ゲッベルズと映画人たちとの間で繰り広げられる人間ドラマ。
芸術と権力の狭間で葛藤する人々の群像劇を三谷幸喜が描いた傑作が、熱いコールに応えて再演決定!
2012年、数々の演劇賞に輝いた三谷幸喜の「国民の映画」が、パルコ劇場40周年のラストを飾ります!三谷幸喜が1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に、芸術と権力の狭間で葛藤する人々の群像劇を描き、第19回読売演劇大賞 最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(小日向文世)、優秀男優賞(段田安則)、優秀女優賞(シルビア・グラブ)、優秀演出家賞(三谷幸喜)、紀伊國屋演劇賞など数々の演劇賞に輝いた「国民の映画」でパルコ劇場の40周年のラストを飾ります。
舞台は1940年代のドイツ・ベルリン。ヒトラー内閣がプロパガンダの為に作った宣伝省の初代大臣ヨゼフ・ゲッベルズ。彼はすべての芸術とメディアを監視検閲する権利を与えられていた。ある日ゲッベルズは映画関係者たちを呼んでホーム・パーティを開く。パーティにやってきた映画人たちの前でゲッベルズは彼らを招いた本当の理由を発表する。彼は最高のスタッフとキャストを使い、自分の理想の映画を作ろうと考えていたのだ。全ドイツ国民が誇れる映画、「国民の映画」を。
ナチス高官たちと映画人たち、彼らが一堂に介したその夜、虚飾と陰謀に満ちた、狂乱の一夜が始まろうとしていた…。
あらたにヘルマン・ゲーリング役に渡辺徹、新進女優 エルザ・フェーゼンマイヤー役に秋元才加を大抜擢。
2012年本作品で読売演劇大賞最優秀男優賞に輝いた小日向文世をはじめ、段田安則、吉田羊、シルビア・グラブ、新妻聖子、今井朋彦、小林隆、平岳大、小林勝也、風間杜夫と豪華出演陣が顔をそろえます!
今度は 三谷幸喜 と、喜劇王の二連発です

そうか、この作品は、2011年の三谷幸喜生誕50周年スペシャル「三谷幸喜大感謝祭」で何本も上演されたうちの1本が初演だったか!
どうりで聞いたことあるタイトルと思ったぁ~
あの時は、結局、「90ミニッツ」の方を観たんだったな。
知らんかったけど、上演後にいくつもの演劇賞を獲ったようだで、だからこその再演ってわけだ!
しかも、キャストの多くは初演のままじゃないか!
ただ、石田ゆり子→秋元才加、 白井晃→渡辺徹の変更が、個人的にはちょっとマイナーチェンジだ


舞台は1940年のベルリン・・・、みなが『あの方』と呼ぶヒトラー内閣下の、宣伝大臣邸宅での話だ。
ドイツが舞台かぁ~~、登場人物が外国人の作品はあまり好きじゃないという偏食があるので、最初は ゲゲ
と思ったね。
きっとこれはかなり詳しく調べたんだろうな。
最後の登場人物のその後の説明といい、実在したのだろう。
だからこそ、当時のドイツにこんな滑稽な出来事があったというのが、驚きでしかない。
独裁政権だから、トップに近い地位にいる人間も それに近い権力を持っているのは分かる。
・・・が、独裁者ってのは、やっぱり異常で、 普通の人間なら考えもしない とんでもないスケールのことを平気で実現したりする。
それが、今回は “国民の映画” なわけだ。

プロパガンダを言い訳に、ただの映画好きの大臣の豪快な趣味だ。
当の本人たちは しごく真面目だが、傍から見れば アホの集まりにしか見えない。
シリアスな中に笑いを見いだす、三谷らしいコメディだ。
同時に、三谷の映画好きもふんだんに盛り込まれていて、三谷=ゲッペルズ大臣に思えてくる(笑)
ヒトラー内閣のドイツなんで、どうしても陰気な雰囲気から始まる。
前半は、ゲッペルズ宅で開かれるパーティーの出席者たちが、濃いキャラを披露し笑いを誘う。
その中で、不倫、嫉妬、妬み、権力、媚びなどの ドロドロとした感情が皮の下一枚で繰り広げられるのも面白い。

開演から1時間したところで休憩だ。
21時過ぎまでの 3時間の長丁場だっ!
正直、前半は 人物紹介に近く、タルい感じもしたのだが、休憩のタイミングからも分かるように、1時間でプロローグを区切り、後半2時間で 怒涛の展開で畳み掛ける!
序盤で種を蒔いたいくつもの感情が、 次々の目を出していく。
ドタバタ劇とばかりに、一気に積み上げていったが、 最後の最後のところで、そんな風に崩しちゃうのか!
なるほどぉ~~、やはりどこまでいってもナチス、ヒトラーってわけだ。
序盤から伏線は見えたが、 そこを避けずには話ができないわな。
逆に、こんなバカ騒ぎをしておいて、 誰もが知る あんな“大事業”を行うという矛盾が、滑稽の極みであり、批判なのだろう。
それまで滑稽に描いた映画事業を、逆にまともに見せるほどの異常な空気感。まるで二重人格だ。
徹底して、異常に見せ、その最後は、なんと虚しいことか。

陰と陽の二面性を見事に演じるマッド大臣、小日向文世 はやっぱこういう役がハマるなぁ~~
加減が絶妙だ。
同じくらいに存在感を放ったのが、執事のフリッツを演じた 小林隆 だ。
三谷作品ではお馴染みの役者だが、分かるかな?
顔を見れば、 あぁ~~!となると思うんだけどね。
奇しくも名バイプレーヤーが光っていた。
段田安則 もそうだよね。
チョビヒゲが滑稽で、ピエロのような役回りかと思いきや、パーティーの中で唯一の敵としてユーモラスに動き回っていた。

最初にマイナーチェンジと言ってしまったけど、渡辺徹 は いろんな意味で存在感があったわな。
あれってリアル体型なのか!?詰めてるよね!?
着ぐるみみたいにパンパンやん!
秋元才加 も、そりゃ石田ゆり子には遠く及ばないけど、AKBを卒業して、地味だがしっかりキャリアを重ねてってるなぁ~と応援したくなる熱い演技だった。
こういう軽くてバカな役は、若い秋元の方が似合うのかもね。
荻野清子って誰か分からんけど、ピアノ奏者役として薄っすらと演じさせながら、生音楽を使うという演出も遊び心がある。
同じく カーテンコールも 効率的に遊ぶねぇ~~
ガンガン押してくるコメディが好みではあるがσ(・ω・。) 、
たまにはこういう大人のビターなコメディも悪くないな。 最近の三谷っぽくてさ。