渉成園十三景

「春ノ一景」

三月下旬、傍花閣のかたわらに一番桜のシュゼンジカンザクラが咲き始めます。薄紅色の花びらのあいだから、垣間見る傍花閣の佇まいは春の訪れをそっと告げているようです

「夏ノ一景」

たくさんの蝉たちが声をそろえて大合唱する盛夏の頃、印月池の辺では紅や白のサルスベリが夏の緑に彩りを添えます。生茂る木々の中にしっかりと立つ回棹廊が、水辺の風景を一層引き立てています

「秋ノ一景」

朝晩に冷え込みと共に、木々は日一日と葉の色を変え、鮮やかに色づいていきます。風のない穏やかな秋の日より、印月池の水面に逆さに映る一本の大きなフウ。イブキの古株や侵雪橋、個性豊かな景物とともに、印象的な瞬間を心に刻んでくれます

「冬ノ一景」

薄氷の張る印月池に緑をのばす漱枕居。屋根にうっすら雪を被った姿は、これから訪れるあたあかい春をじっと静かに待ちわびているように見えます

凜とした松葉
霧氷
雪の花
松を鍛える
御影堂の金
松枝