18:00上高地バスセンター到着
1リットルのプラティパス2本と、水筒に水を汲んだ
穂高の魅力に取りつかれればとりつかれるほど、自然に対する人間の小ささ、限界を思い知らされたのだ。穂高を自分のものにする、などというおこがましい考えはないが、少なくとも永遠の恋人ぐらいの感情は持っていたのである
この山に対する私の愛着は、もう絶ち難いものになってしまい、執念はますます深まっていくのであった
激しい穂高への傾倒が、いよいよ私の人生を大きく左右することになってしまった
これほどまでに愛し、執着し、敬慕する穂高と、常に共にありたいという願望は、それまでアマチュアの域を出なかった私を、フリーのカメラマンに踏み切らせたのである
学業も、職業も、結婚も、家庭生活も、“山”本位となった
そして、10年前には教員生活に別れをつげたのだ
フリーとなった私は、新しい希望に燃えて穂高に向かった。さあ、いよいよ穂高との本当の付き合いが始まるのだ。本当に長い長い間の念願だった
穂高はどんな表情でこの私を迎えてくれるだろうか、私には不安であった


