この世に誕生して最初に観た桜(記憶にある)は郷里の山桜
その次は小学校の校庭に咲くソメイヨシノ
今、その木は両方ともなくなっている
人も去り、植物も去り、無常を実感させられる
近年は吉野の桜に魅せられている。精霊が桜に姿を変えて現れたとも思える、凄さである
北面の武士だった佐藤義清は、父の姿に喜びかけよる愛娘を、縁側から思い切り蹴り落とした娘は小さな手で顔を覆い、それでも父を慕って泣き叫ぶが、父は顔色を変えない
義清が世を捨て、西行に生まれ変わる瞬間である
出家の理由は、かなわぬ恋と言われている
その西行が生涯、桜を愛し続けたのは分かる気がする「散るを見て帰る心や桜花、昔に変わるしるしなるらむ」
仲の良いK氏ご夫妻
過去とは過ぎ去った年月であり、惜しんでも、悔やんでも、元に戻ることはない桜の季節は毎年必ず巡ってくるけれど、去年と今年の花の間には丸一年の時間が、年輪のように刻まれている
西行は吉野奥千本に庵を建て隠棲した
ここでの体験が歴史に西行の名を遺した
「願わくは桜の下で春しなんあの望月の如月のころ」
(日経・春秋参照)









