19月9日未明、池の平小屋広場から見たお月さん
満天の星空であったが星は写っていない、脳裏に納めた
剱岳点の記の監督が寝室に使った乾燥室で小生のザックも休んでいたズタズタにされた自尊心、夜明けがどんなに待ち遠しかったか
5:28、八ツ峰が浮かび上がった
古田盛作は明治27年10月8日白馬岳に方錐形の高さ8mも覘標のやぐらを立てた
そうそう、白馬岳の雪渓を登るときには、草鞋の裏に鉄のかんじきをつけて登った
「白馬岳は雪渓を登る以外に登山路はなかったのでしょう。剱岳もそうなんですか」
剱岳は俺の見たところでは、雪渓は急峻で登れない。登るとすれば岩尾根を攀じ登るしかないように見えた。しかし、なにか俺には、剱岳に登るには、かんじきが必要な気がしてならないのだ
柴崎は、古田盛作に多くを教えられたが、剱岳登山についての決めてよいうようなものは終に得られなかった
5:57ご来光を受けて耀く八ツ峰
柴崎は古田にさよならするとき、「この次お訪ねするときには、剱岳頂上の石でもお土産に持って参りましょう」と云った
赤八ツ峰
(剱岳点の記より)
12月24日まで連載します








