柴崎芳太郎は古田盛作に「山岳会を目的のない閑人の集まりだと云われましたが、山岳会の内容を調べてみると、そのように簡単に決めつけることは出来ないものを持つかだと思いました」
「目的ははっきりしています。山に登ってその記録を残すことです。時間と金を使い、危険な目にあってもなお未知の自然に近づこうという彼らの意気込みは、学者が芸術家が身を挺して真理や美を追究してやまないのと似たところがあります」
「彼らは合理的な考えを持っている集団です。彼らは、外国で出版された山の本を読んで、登山技術を研究しているようです」
「私が登らなかったら、彼らはここ2、3年のうちに必ず剱岳の頂上に山岳会の旗を立てるでしょう」 山岳会と競争するために登るのか
「そうではありません、測量官としての仕事のために登るのです」
「ただ私が失敗すれば、彼らによって初登頂はなされるだろうと云っているのです。その場合の先輩の気持ちをお伺いしているのです」
そうなったら口惜しいと思うだろうよ。近頃の測量官は意気地がないなどと、不謹慎な言を吐くかもしれない
だからと云って、おれは、君に剱岳へ登れとは決して云わないぞ
くどいようだがあの山は死ぬ覚悟でないと登れない山だ
剱岳<点の記>より
「目的ははっきりしています。山に登ってその記録を残すことです。時間と金を使い、危険な目にあってもなお未知の自然に近づこうという彼らの意気込みは、学者が芸術家が身を挺して真理や美を追究してやまないのと似たところがあります」
「彼らは合理的な考えを持っている集団です。彼らは、外国で出版された山の本を読んで、登山技術を研究しているようです」
「私が登らなかったら、彼らはここ2、3年のうちに必ず剱岳の頂上に山岳会の旗を立てるでしょう」 山岳会と競争するために登るのか
「そうではありません、測量官としての仕事のために登るのです」
「ただ私が失敗すれば、彼らによって初登頂はなされるだろうと云っているのです。その場合の先輩の気持ちをお伺いしているのです」
そうなったら口惜しいと思うだろうよ。近頃の測量官は意気地がないなどと、不謹慎な言を吐くかもしれない
だからと云って、おれは、君に剱岳へ登れとは決して云わないぞ
くどいようだがあの山は死ぬ覚悟でないと登れない山だ
剱岳<点の記>より









