<14日、名神より三上山を写す>

出家する前の瀬戸内晴美さんおやじのところへ顔出していましたな。「お父さんは実直で、おとなしかったけど、貴方はやんちゃなのね」

京都で暮らしたい、いうからおやじが同じ土地もん同士で「何とかしたってや」と話をつけ、嵯峨野に庵を結びましたんや
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寂庵に普賢象桜や枝垂桜、鬱金桜、山桜を植えましたわ。当初は咲かんで、気をもみました。今はすっかり大きくなり、立派に咲いとります

寂聴さんはバタバタッとあらわれて、言いたいことだけ言うたら、パッと引き揚げますやろ。わしは「わかった、わかった」とおされっぱなしやけど、仕事を頼んだらきちっとやってくれるんやと言う安心感があるんやないですか

わしは外で寂聴さんのことをペラペラしゃべりませんしな

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岡部伊都子さんもおやじに相談して京都の鳴滝に移ってきましたんや

華道家の安達瞳子さんもおやじからの付き合い

桜を生けたいというので、何度か手伝いました

東京の自宅にもいきましたが、普段は普通のおばはんです。それがいざ花を生けるとなると、ものすごう厳しい目になります。恐ろしいほどですわ

<伊吹山が見えてきた>

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何もないところから空間をデザインするのは、生け花も庭づくりも同じですわ。素材をうまく使って生かす点は、庭の仕事にも参考になりましたわ

こういう人たちとは、肩書抜きの付き合いですねん

しゃべっていると、話の内容がわしらの世界と違うんやな

ああ、「こういう見方もあるんか」と、何かのヒントになるんですわ

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読売新聞・時代の証言者「桜守・佐野藤右衛門」より抜粋