弘法大師・空海は宝亀5年(774年)6月15日讃岐の国にお生まれになり、真魚と名付けられました。父は佐伯直善通卿(さえきのあたいよしみちきょう)、母は玉依御前(たまよりごぜん)です。

香川県にある「善通寺」は真魚様が育った屋敷が後に寺になり、父の名前が付けられたことに由来します。

真言宗ではお大師様のお誕生日を「宗祖降誕会」といい、一般には新緑の最も美しい季節の為、「青葉祭り」と呼び盛大なお祝いをします。

お大師様の誕生は、目には見えない大宇宙の大きな力が、人の幸せの為に、お大師様をこの世に送り出したものと言えるでしょう。世界に誇る日本の文化には、お大師様の限りない影響が及んでいます。その教えはまた、人類文明の羅針盤の役目を果たすものです。

1200年前様々な提唱、実践をされたことは今の時代にも脈々と生きている。大師が高野山を開かれたのは816年の6月。嵯峨天皇に高野山を頂きたい、と上表された。土生川正道氏(高野山宗務総長)は「高野山は人間があらゆる生物と共存し、愛情を持ちうる場所である。今日では、伝統は壊れてゆくもので、昨日のものに対してエネルギーを注ぎすぎるのは古いこと、といわれている。しかし、大切なのは古くても創意工夫、オリジナリティの進んだものはいつまでも残るし、尊ばれるべき、と。

命というものはそれぞれが独立した命であっても、どこかでつながっている。人間のあらゆる価値は精神性を失った時、無価値に等しい。一匹の昆虫、一輪の花も宇宙を持っている。それが網の目のようにつながり、その時に気付いた時から一匹の虫、一輪の花に対する愛情が起こってくる。花、風に自分の命を見つめることができ、自分の永劫の命を永劫に見つめることになる。これが大師の思想である」とおっしゃっておられます。