<★古い遺言書発見! すわ、争族⁈ 相続人全員一致なら”異なる相続”も可能だ>
http://yuigonsouzoku.net/old-testament/
遺品を整理していたら、故人の遺言書が出てきた。
封筒はだいぶ古びた感じ。
遺産は分け終えたのに、えっ、これって有効⁈
怖くなってとにかく家庭裁判所に持って行って検認の手続。
開封したら、日付は30年前!!
ごくたまに相続では、こういったことも起こります。
やっかいなことに、①全文自筆、②日付があり、③署名もされて、④印鑑も打ってある──。
これらの要式が整っていれば遺言書は有効です。
遺言書に「有効期限」というものはありませんから、超古い遺言書でも有効になります。
30年前に書かれていれば、当然、今と状況が違います。
登場人物や財産の中身も違ってくる。
有利になる人も不利になる人もいそう。
有利になる人は分け直しを主張し、不利になる人は断固反対。
かくして”争族”勃発・・・・・
まあ、そうなるでしょうね。
人間は欲の塊ですから、いざとなれば。
この解決法?
相続人が欲に駆られていれば、ありっこありません。
遺言書を盾にする者と、現状を死守しようとする者と。
欲、つまり「私の事情」が先にあって戦うと引く気にはなれません。だから泥沼にはまってしまう。
でも、忘れてしまっては困ります。
誰の財産ですか?
亡くなった方が築いたものでしょう?
ならば故人の意思が最優先です!
と書けば「30年前の遺言の通りにしろと?」と言っているように取られそうですが、そうではありません。
むしろ、遺言書の細部にこだわるな、です。
誰にいくら、誰々にはこの財産、と書いてあっても30年前の話ですからね。
読み取るべきは「本人がどうしたかったか」だけです。
誰もが遺言書の字面の数字にしか興味がありません。
その数字を見て、有利・不利をくみとる。
そして、その遺言通りにすべき・いや現実は違う、と争う。
どちらも「自分の事情」から主張するから妥協点がなくなります。
考えても見て下さい、30年前の遺言書ですよ。
その通りにしたら混乱するし、したいと思ってもできないことも多いでしょう。
だから「それはそれ」という感覚がとても大事なんです。
古い古い遺言書からくみ取るべきは『おやじはどうしたかったんだろう、何を望んでいたのだろう』だけです。
後はそれを踏まえて、もう一度、遺産分割協議を始めるだけ。
分割協議で全員一致で決めれば、その決定は遺言書に優越します。
仲良く決着すれば突然出てきた遺言書を、笑い話、いや思い出のよすがにして父のエピソードを語り合うきっかけ程度にすることができます。
自分の欲で遺言書を見たら、10年話し合ったところで決着しません。元々、父が遺した父の財産です。
自分の欲だけを全開なんて、みっともない真似はやめましょう。