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90歳を目前にして、父が脳梗塞で倒れました。
右手、右足のマヒ、そして口元にも影響が・・・・・
でも当初、症状は比較的軽いと思っていたのです。
だから私は楽観的で、
リハビリのことばかり考えていました。
意思能力ははっきりしている。
でも何かしゃべるってもなかなか内容がわからない。
というわけで、右手、右足に負荷をかけるより、とりあえずは動く左手で筆談ができるようになれば、とあくまで前向きに。
ところが発症から5日後、医師に「鼻からチューブを入れて胃に栄養を届かせる療法」の打診を受けたのです。
経鼻経管栄養法。老化に伴う延命法の1つでもある方法。
確かにいま父は嚥下が難しく、口からは食べられない。
わずかにゼリー状の物を食べさせてもらっても誤嚥してしまう・・・・・
ということで医師は、何をするにもとにかく体力回復をしてから、という意味患者家族に選択肢を提供したわけです。しかし経管栄養法にはいろいろ問題もあります。
以前から私は「チューブを入れて延々と生かされるのは・・・・」と、この療法には否定的でした。老後の延命法としてひとたびチューブをつなぐと、意思能力を喪失した後も体が衰えて命の火が燃え続けるまで”生かされ”続けなければなりません。
そんな私にいきなり「最終決断」が突き付けられたのです。
あまりに個人的な体験、家族の話だけにこれを書くかどうか迷いました。
しかし私のこのたびの体験は、今後、患者家族の多くが遭遇する問題であるに違いない、とも思ったのです。
「私の迷い」はある意味で普遍的な悩みであるかもしれない・・・・・。
父の脳梗塞発症から数日の、私の心の行きつ戻りつをつづってみました。