先日、「地域の情報発信にFacebookを活かす法」を書いた。
集客のプロでもない僕の発信に、意外にも多くの人が反応してくれた。
これに気をよくして第2弾を、と思ったのだが…。

さすがにfacebookだ、いろいろ状況が騒がしくなってきた。
何が騒がしいかと言えば、
一つは「いいね!」ボタンの使い方についてのおかしな動き。
もう一つは、facebookを集客のツールにするとの即物的な提案のラッシュだ。
僕はもとよりfacebookのごく初心な利用者である。
アカウントを取ったのは今年の1月。
ツイッターについても同様で、
フォロワーこそ12万人近くいるが、始めたのは昨年の6月。
2つのソーシャルメディアの機能について、
まだ知らないことはたくさんある。
そんな素人が何を言いたいのかと言えば、つまり
このごろfacebook周辺で起きている動きはおかしい!
狂っている、あるいは
的外れだ!!、ということだ。
これらの現象は、いかにもニッポン的だと思う。
実に短兵急で、即物的だ。
効率、いや功利的な面ばかりに意識がいき大切なことを忘れている。

大前提としての僕の予測を言っておく。
ソーシャルメディア、特にfacebookはこの先、10年、20年たてば
社会を変えていくツールになると思う。
その可能性があるからこそ僕はツイッターで、
1年で10万人ものフォロワーを集めたのだ。
無名の個人が個(孤)メディアになるための「1人社会実験」として。
一方、facebookで僕は、友達を増やすことに汲々としていない。
facebookには、拡散型のツイッターとは別の方法があると思うからだ。
いずれにしても、ソーシャルメディアにおける僕の立ち位置は、
10年先を見ながらまだヨチヨチ歩きを始めたところ。
いろいろなことを発信し、その反応を探っている。
とは言いながら、今のところ僕は会社員であり、夜は受験生である。
だから、やりたいこと、試みたいことがたくさんあるが、
少しずつしかできない。
でも今は、それでちょうどいいと思っている。
なぜならツイッターもfacebookも、まだ始まったばかりだから。
ツイッターもfacebookも、人と人とをつないでくれるツールだ。
この1年間で信じられないような出会いがあった。
そして今年、facebookを使い始めて始めて、
「人をつなぐ」ツールとしては最強・最適を実感している。
このコミュニケーションツールをじっくり育てたい、
というのが僕の願いだ。
ところが今のニッポン、それを許してくれない。

ゆっくり熟成して社会を変えるツールに育ってほしい
という僕のfacebookへの期待感が、何やら危ういものになってきた。
一つは、facebookの「いいね!自動化ツール」の登場だ。
これについては前のブログ
『「いいね!」自動発信ツールはFacebookを滅ぼす!』
で思い切り批判したので、そちらを読んでほしい。
もう一つはfacebookを利用する「集客本(テキスト)」のラッシュである。
僕自身、出版社を来春立ち上げたいと思っているので、
人の本にあまりケチを付けたくはない。
しかしあまりにピント外れなので物申したくなる。
人を集めれば「勝者」ですか!
売れ筋の本を出したいのだから気持ちはわからないではないが、
虚像を売ってもらっては困るのだ。
「Twitter+Facebookとブログでゼロ円集客!」
「Facebookは集客の魔法のツール」
などと喧伝するのは、やめてもらいたい。
facebookを持ちあげたはいいが、
信じて実行した人は、効果のなさに落胆してfacebook離れ…。
これでは、ひいきの引き倒しだ。
じっくり熟成どころか、最強のツールを立ち枯れさせかねない。

ツイッターやfacebookは「口コミ」のためのツールだろうか。
情報の受・発信、かつコミュニケーションのツールだから、
当然のように「口コミ」的な効果が生まれることはあるだろう。
しかしそれは本来、副次的な効果(わき役)である。
これを計算づくで起こしましょうよ、というのが集客本の狙いだ。
しかし計算して、いつでも成功するなら、世の中facebook長者ばかりになる。
そうならないのは、単純な理由だ。
つまり、facebookの参加者はまだまだ少ないということ。
しかも、参加者の多くは知的好奇心にあふれ前向きな人たちである。
広告のにおいがする情報には、まず乗ってこない。
この人たちは「交流」を求めているのであり、
お得な(お手軽な)広告を求めているわけではない。
これに関連して、もう一つ肝心なことがある。
それは
発信する情報に「価値」があるかどうか、ということだ。

「価値があるかどうか」は他人(ひと)が決めてくれる。
自分の思い込みで「価値」が生まれるわけではない。
だからモノを売る、人を集めるための情報が
人からもてはやされる条件は、かなり厳しいと思った方がいい。
ながくマスメディアにいた経験から言うと、
人々が求めている情報は驚くほど早く、広く伝わっていく。
逆に、求められていない情報は大見出しを付け、
広いスペースを提供しても、思ったような手ごたえが得られない。
人々が何を求めているか、
メディアの中にいる人間は往々にして「分かったような気になっている」。
情報のプロ、マーケティングの手連れ(てだれ)くらいに思っているから。
流行!時流…、最先端? それが何か…
このごろ、つくづく僕はそう思うのだ。
それを見事、当てることができるなら、
マスメディアが今こんなに苦しむことはない。
よかれと思って企画を組む、番組をつくる。
それを評価するのは読者・視聴者だ。
そして僕らはしばしば、世間の関心を読みあやまる。
優秀な記者より、鋭敏なプロデューサーより、
現実は先をいっている。
しかも、その流行をつくりだすのがフツーの人々であるのが現代だ。

だいぶ脱線してしまった。
僕が言いたいことは、
今のソーシャルメディア狂騒曲を見ていると、
マスメディアと同様の錯覚に陥っている!、ということだ。
どこまで行っても数、数、数…、「数の幻影」を追っている。
大宣伝をすれば、いっとき人は集まるかも知れない。
運がよければモノも売れる。
店には行列ができるかもしれない。
それが「成功」ですか?
一瞬の繁盛より、20年先も30年先もその店が在り続ける…
そんな成功こそが、僕には確かな成功だと思える。
個(孤)メディアであれ、マスメディアであれ、
そういう成功情報、
なぜ成功が持続しているかという情報を伝えることが
「価値ある情報」を伝えたことになるのではないか。
自分がソーシャルメディアを発信する側として考えてみれば、
持続する成功の秘けつを持っていることこそが、価値だ。
それは、人に見えないところでの努力であったり、
お客さんへの何げない心配などり…、
数えだしたらきりもないだろうが、
そういう一つひとつが「価値ある」情報であり、
人はめったにそれを語らない。

facebookに口コミ効果がないなどとは言わない。
集客成功事例が出ないとも言わない。
しかしこれだけは断言できる。
その成功は、facebookの機能による自動的な成功によるものではない、と。
ツイッター、facebookとおつきあいしてきて僕が感じるのは、
『ソーシャルメディアはアナログだ』ということ。
正直であること、ウソをつかないこと、人を思いやること、
人間として生きるための基本動作ができるかどうかが、
ソーシャルメディアでつきあい上手になれるコツだ。
あたりまえのこと、つまり”常識”があるかどうかなのだ。
ノウハウ本や講演を聞いて、いいね!をたくさん押しても、
付け焼き刃はたぶん成功しない。
ふだんの交流をサボっていながら、
都合のよいときだけ「こっちを向いて」と呼びかけても、
人は振り返ってはくれない。
<ここからは「著者ページ」と「著書」の紹介です>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんな視点、はじめてだ!
「なぜ?」を徹底追究
ジャーナリストの視点で電本3部作
※著者ページ
http://denhonkan.jp/meikan/detail.html?ab_id=7
※著書
『秀樹さんが教える まだまだ奥が深い Facebookの教科書』



Facebookの基本のキ」。
「入門書」ですがかなり濃い内容です。
いいね!の原理、エッジランクやクチコミ発生機能について 核心を伝えます。
Vol.2
Facebookのビジネス活用術。
個人やお店、小さな会社は大企業や有名人を見習ってはい けません。。
バラマキマーケティングより友達を大切に。
Vol.3
Facebookのスーパースターたちを紹介しています。
「誰か」って?
まあ、立ち読みでご確認ください。
インフルエンサーの投稿術を詳しく伝えます。