僕の場合、行政書士試験に挑戦していたアラサー娘のひと言である。
「お父さんもやりなよ」
続けて娘はこうも言った。
「司法書士の方がもっと難しいよ。お父さんはそっちをめざしたら…」
「やるか」なぜか即答した。
09年9月、定年は5ヶ月後に迫っていた。
編集局長を降りてからというもの、人にも会わず半ば隠遁者のような生活。
趣味なく、意欲なく、夜は漫然とテレビを点け
好きな読書も時間つぶしの道具。
自分でも何とかしなければと、分かってはいた。
翌日、僕は東京リーガルマインド(LEC)に寄り、DVD付き過去問集9巻を買った。
占めて16万円。それでも講義を受けるより3倍くらい安かった。
「時間がない」だから、独学でやろうと決めていた。
平日4時間、休みは10時間。月に170時間あまり勉強に費やした。
『結構、やるもんだね』 俺は意外に意思が強い。
結果から先に言えば、翌年5月の時点で司法書士試験を1年でクリアするのは無理だと判断、
目標を行政書士に切り替えて11月の試験に臨んだ。
娘はわずか4ヵ月で昨年、一発合格している。
僕はと言えば、自分の認識以上に実力が足りず、涙をのんだ。
この歳での挫折は痛かった。
自信満々で臨んでいた。何が足りなかったのだろう。
悔しい、恥ずかしい、挫折感は長く尾を引いている。ダメージはかなりある。
しかしそれは、このブログのテーマではない。
挑戦のしがいあるこんな壁がまだ残されていたのだ。
幸い気力も体力も、健康もある。
第一、僕の関心はいま、単に国家試験の突破のみに向いてはいない。
昨年、仕事の中で電子書籍の事業が次々立ち上がっていくのを目の当たりにした。
ツイッターを始めたことで、マスメディアでないメディア(僕は個メディアと呼ぶのだが)、
ソーシャルメディアの重要性と可能性に気づいた。
僕はだんだん欲張りになっていく。
行政書士をめざす。そして出版社も立ち上げる。
ツイッターなどの新興メディアの楽しさを喧伝し、広めていく活動も同時にしていくつもりだ。
やっぱりあの時、娘のひと言が、眠りこけていた僕の「鼓動」を蹴っ飛ばしたのだ。
娘よ、よいときにお前はお節介を焼いてくれたものだ。
こころからありがとう!
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