私は100㌔先に待ち構えるゴールに向かって直走っている


今46㌔・・・そろそろ折り返し点にさしかかる


ここまでは順調に走ってきた・・・はずだったが・・・




スタートから最初の1㌔は試行錯誤が続いた


途中から共に走るであろうあらゆる生物や動物たちのことを思い


環境を整えながら走り始めた



微惑星との衝突を繰り返し火の玉となった身体を走りながら冷やし


そして程よく温まった地表からでる大量の水蒸気を雨に変え海を形成した


スタートから6㌔を通過した頃、海の中に全ての元になる生命体が誕生した


私と共に走ってくれるであろう生物や動物の微かな息吹が聞こえた瞬間である



スタートから20㌔・・・大気中に酸素ができた


海で少しづつ育ち始めていた生命体がやっと陸地に顔を出せる環境が整った




スタートから40㌔を過ぎた頃


やっと陸地に最初の生命体、植物が現れ始めた


無味乾燥だった陸地が瞬く間に緑や花で覆われ始めた



この40㌔・・・ただ1人環境を整えながら走ってきた私は嬉しくなった


海と陸を行ったり来たりする両生類も現れ俄かに活気づいた




43㌔を過ぎた頃・・・今走っている地点から僅か2~3㌔手前のこと


大きな動物たちが現れ始めた


それは海・陸・空を楽しそうに動き回る恐竜達である


私は彼らとこれから長い付き合いができると喜んだ


しかし・・・不運にも45㌔を過ぎた地点で


私の身体に体当たりをしてきた巨大隕石によって絶滅してしまったのだ・・・


そう・・・私とは2㌔も一緒に走ってもらえなかった・・・哀しかった




それでも走り続けるしかない私は懸命に走った


気が付くと多くの動物達に混ざって


今まで見たことのない2足歩行で歩く猿人も加わっていた


今走っている地点から僅か40㍍手前から現れた一番新しい生き物だ



猿人は恐竜や他の動物とは比べ物にならない速さで進化し


1歩進むごとに猿人から原人に・・・原人から旧人に


旧人から今並走している新人(現代人)と形を変えていた



最初に現れたときは小躍りするほど喜んだ


恐竜が絶滅した寂しさも忘れるほどであった


どうか最終ゴールまで一緒に走ってほしいと願った




しかし僅か40㍍程しか走っていないのに瞬く間に全ての動物を支配し


進化を続け私の中を、上を、周りを、自在に動き回るこのモンスターたちは


ひょとしたら私の最終目標の100㌔完走を妨げる存在なのかも知れない


・・・すでに40㍍の間に私が46㌔の道程で丹精込めて


創り上げてきた緑豊かな大地を汚し、神秘な海を汚し、オゾン層まで


破壊しようとしているのだ


46㌔の道程の僅か40㍍手前から合流したばかりなのに・・・



私には100㌔完走の夢がある


いや、指名がある


自然の理に逆らうことは許されないのだ


しかし、そんな人類が生存しうる環境を創り上げたのは私だ



だから君たちにお願いする


時間をかけて創り上げた素晴らしき宇宙の奇跡この私地球は


今、共に走る続けているあらゆる生命体のオアシスである


決して一番最後に現れた人類だけのものではないのだ!



今からでも遅くない


私と共に100㌔完走を成し遂げよう!





地球の寿命は90~100億年といわれている

今、46億年経った所・・・未来の人類のためにも大事にしたいものだ