数日前のこと・・・。
上野駅から慌てて電車に飛び乗った。
2時頃だったのでさすがの山手線も十分に空いている。
適当な所に座ってふと前の座席を見ると・・・。
そこには一昔前のヤクザスタイルに身を固めた70位の老人が座っていた。
角刈りにサングラス、白のスーツに白の靴・・・白い手袋まで・・・。
まるで歳をとった菅原文太がスクリーンから飛び出したようだ。
ただこの文太の小道具はちょっと変わってる。
文太の座ってる前にはベビーカー、・・・片手に握り締めているのは・・・
ハジキならぬ赤ちゃんをあやすカラカラ・・・・・・。
周りに家族らしき人はいない。
て、ことはこの場違いなスタイルで孫の子守をしているのか?
ベビーカーに顔を近づけ、厳つい顔に無言の笑みをたたえ
・・・カラカラ・・・カラカラ・・・?
でもなにかおかしい??
次の瞬間ベビーカーから赤ちゃんを抱き上げた。
そして赤ちゃんに熱いキス・・・。
瞬間、赤ちゃんの顔が!・・・カワイイ♪
目がパッチリしていてふくよかで、まるでキューピーさんみたい・・・?
えっ!・・・みたいじゃなくって・・・キューピーさんだよ!!
本物のキューピー人形だよ!!!
周りを見渡すと他の乗客も何気にちらっちらっと盗み見している。
本人はそんなことにはお構いなし!
赤ちゃんならぬキューピーを膝に乗せ、あやしている。
次の駅のアナウンスが流れるとキューピーに話しかけながら
べビーカーにもどし席を立った。
ドアが開くと電車とホームの段差が気になったのだろう
ベビーカーごと抱えて降りた。
赤ちゃんに振動を与えてはいけないと思っているんだろうな・・・。
乗り合わせた人たちもホームでベビーカーを押して歩く老人の姿を無言で追っている。
ホームの反対側から歩いてきた人が通り過ぎてからビックリしたように振り返っている。
あの老人・・・昔は肩で風切って歩いていたお兄さんだったのかな・・・。
なにか・・・見てはいけないものを見てしまったような・・・複雑な感情を乗せて
次の駅秋葉原に向かった。。。