和を以て貴しと為す
わしは長尾景虎(ながおかげとら)です。
亡き上杉憲基(うえすぎのりもと)の後を継ぐべぐ、越後上杉家の孔雀丸(くじゃくまる)の出発する日となった。
孔雀丸は実父である上杉房方(うえすぎふさかた)、房方の長男、朝方(ともかた)に出発の挨拶をしていた。
房方「孔雀丸、鎌倉から山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)の家臣、長尾景仲(ながおかげなか)が迎えに来ておる。」
景仲「孔雀丸様、これからお仕えいたします長尾景仲でございます。」
孔雀丸「うむ、頼むぞ。」
長尾景仲
景仲さんは憲基さんの先代の憲定(のりさだ)さんの代から山内上杉家に仕えているんだよ
房方「孔雀丸、鎌倉に入って、直ぐに元服となろう。元服してからの名はわしが決め、景仲に託してある。」
孔雀丸「何という名ですか?」
房方「今は教えぬ。元服してからだ。」
朝方「焦るでない。」
その場にいた一同が笑った。
房方「さて、もうひとつ、そなたに送るものがある…入れ!」
そこへ民らしき格好の者が入ってきた。
孔雀丸「父上、この者は?」
房方「今日から、そなたの身を守る平太(へいた)だ。」
平太は無言で頭を下げた。
房方「平太は身軽で諜報で動くこともできる。しっかり使うのだ。平太、命に変えても孔雀丸を守るのだ。」
平太「はい。」
平太は忍びだな
孔雀丸は景仲と共に房方の館を後にした。平太は先に進んでいた。
一行は鎌倉に向けて馬で移動した。
孔雀丸「景仲、持氏(もちうじ)様はどのような方なのだ?」
景仲「若く血気盛んなお方にごさいます。」
孔雀丸「関東は先の乱の後、まだ戦が続いておると聞いたが誠か?」
先の乱とは上杉禅秀(うえすぎぜんしゅう)の乱のことだよ
景仲「はい、禅秀に味方した残党が、まだ残っておりまする。持氏様はそれらを成敗しています。」
孔雀丸「戦か…平和にせねばの…」
数日後、ようやく孔雀丸らは鎌倉に入った。
鶴岡八幡宮
孔雀丸は早速、持氏に挨拶の為に持氏の館に入った。
孔雀丸と景仲が居間で待っていると…
ドタドタ!
激しい足音と共に入ってきたのは持氏であった…。
つづく…







