和を以て貴しと為す
わしは長尾景虎(ながおかげとら)です。
将軍、足利義教(あしかがよしのり)は富士山がよほど気に入ったようで、ずっと見惚れていた。
義教「美しい…我が父もこの風景をご覧になって将軍の権力を絶大なものとしたのだ。」
義教さんのお父さん、足利義満(あしかがよしみつ)さんも富士遊覧をしてるんだよね
足利義満像
夜になり、今川範政(いまがわのりまさ)が義教の元に来た。
範政「上様(義教のこと)…」
義教「何ごとだ?」
範政「鎌倉より関東管領、上杉憲実(うえすぎのりざね)が参りました。」
義教「憲実が来たのか!」
範政「忍んで来ております。」
義教「…忍びか…まぁよい、ここへ通せ。」
義教「なんだ!?その格好は?」
義教の前に現れた憲実は百姓のように見えたのだ。
憲実「忍んで御前にいることをお許しくださいませ。上杉憲実です。」
義教「ふっ、ふっはははは!」
義教は大笑いした。
義教「まぁ、よい。久しぶりだな、憲実。此度はどうした?」
憲実「我が主、足利持氏(あしかがもちうじ)が病のため、恥ずかしながら忍んで私がご挨拶に参りました。」
義教「忍ばなくても、堂々と来ればよいわ…持氏は病か…。」
憲実「はい、持氏は義教様にお会いできず、無念でございます。」
義教「ほぉ…無念か…改元したのに未だに古い元号を使っておるとか…わしへの反抗ではないのか?」
憲実「それは幾重にも謝ります。何せ関東は遠い地。持氏の元に改元の報せが遅れたことは、私の落ち度にございます。申し訳ございませぬ。」
義教「…なるほどの…」
憲実「持氏の意向は日の本の和平。将軍様と思いは同じにございます。」
義教は和平の言葉を聞き、何も発することはなかった。
将軍である義教さんが和平の思いがないとは言えないよね
義教「…わかった、此度は持氏の不出仕は許す。」
憲実「ありがとうございます。」
義教「ただ…憲実、持氏のことを我が主と言ったがお前は関東管領。関東管領は幕府が任命しておる。わしもお前の主であることを忘れるでない!」
憲実「…はい、肝に銘じておきます。」
義教「持氏の動きは逐一報せてくるのだ。」
憲実は難しい立場だったのだ…
つづく…







