和を以て貴しと為す
わしは長尾景虎(ながおかげとら)です。
関東管領、上杉憲実(うえすぎのりざね)は鎌倉公方、足利持氏(あしかがもちうじ)の命で京へ向かった。
憲実の上洛はお忍びであり、同行するのは長尾忠政(ながおただまさ)や忍びの平助(へいすけ)と少数の兵のみだった。
忠政「殿(憲実のこと)、私も京に行くのは初めてです。」
憲実「うむ…京の幕府には我らの上洛は伝えておるのか?」
忠政「はい、大御所様や管領の畠山満家(はたけやまみついえ)様ら主な方々は知っておられます。」
憲実「そうか…」
大御所様って足利義持(あしかがよしもち)さんのことだよ
憲実は気が重かった。持氏の命は義持(よしもち)の養子になることを成すことであったのだ。
憲実『無茶な命だ…』
憲実らは京に着き、醍醐寺(だいごじ)に入った。
現在の醍醐寺
醍醐寺は義持の側近である満済(まんさい)の寺である。
早速、憲実は満済と会った。
満済「長旅お疲れさまですな。でも、まだお若いから大したことはないですかな?」
憲実「はい、持氏様の命でありますから。」
満済「大御所様には明日お目通りになります。」
憲実「将軍様(義量のこと)がお亡くなりになられて大御所様にはお気の毒で…。」
満済「幕政は大御所様が行われてますが、今は大名たちの政争に頭を悩ましているようで…。」
憲実「大御所様に東国の争いのことでも、ご迷惑をお掛けし申し訳ございませぬ。」
満済「まぁ…大御所様は持氏様のことをあまり…」
憲実「わかっておりまする。ただ、私は関東管領。京と鎌倉が争わぬようにするのが私の役目にござますゆえ。」
憲実の真っ直ぐな姿勢に満済は頼もしいものを感じでいた。
満済
その夜…
憲実は床についていたが、憲実は眠れなかった。
そこへ…
グサッ!!
憲実が寝ている居間の外の柱に矢が刺さった。
「殿!!」
平太の声が聞こえてきた。
憲実は太刀を取り、
憲実「平太!何事か!?」
居間から外に出た憲実を平太が守るように立ち、
平太「わかりませぬが、矢が飛んできたのです。」
憲実「誰かは知らぬが我らが来たことを歓迎せぬものがおるようだな。」
憲実は柱に刺さった矢を睨んでいた…。
つづく…









