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我に任せろ!
私は源為朝(みなもとのためとも)の孫、里子(さとこ)です。
肘を外された為朝が兄の義朝(よしとも)の館の牢にいるところに、
「由良(ゆら)殿、鬼武者(おにむしゃ)…」
義朝の正室、由良と嫡男の鬼武者が現れました。
源頼朝像
由良と鬼武者は牢の中に入り、為朝の痛めた左腕を治療しました。
為朝「うっ…」
由良「これで少しは痛みは和らぐと思います。」
鬼武者「叔父上、痛い?」
為朝「なぁ〜に、少し痛いだけだ。」
由良「こんなことになろうとは…義朝は自らの恩賞を返上して為義(ためよし)様を助けようとしたのですが…」
為朝「…叶わなかった…兄上…」
鬼武者「叔父上!我の弓矢を見ておくれ!」
為朝「おぉ、やってみろ!」
鬼武者は牢から出て弓を引き、
バシッ!!
見事に放った矢は的を貫きました。
為朝「見事だ!!元服前なのに強弓が引けるとは!」
鬼武者「叔父上が教えてくれたおかげです。」
為朝「由良殿、いずれ鬼武者が我や兄上、父上の無念を晴らしてくれるでしょう。」
為朝も由良もニコリと笑顔になっていました。
翌日、為朝の元に義朝が訪れました。
源義朝
為朝「兄上…」
義朝「……そなたを尋ねてきたものがいる。」
そこに現れたのは為朝の母、光(ひかり)と家臣のイチでした。
為朝「母上!イチ!」
光「為朝殿!大きくなりましたね。あなたの家臣のイチがここまで連れて来てくれました。」
イチ「八郎さん、絶対生きてると思ったからね。」
光「為朝殿、為義様は源氏を義朝殿に託して亡くなったのです。必ず義朝殿が為義様に代わって世を変えてくれるでしょう。」
義朝は背を向けていました。
為朝「イチ、タカはどうした?」
イチ「タカは九州へ向かったよ。八郎さんの家族を連れてくるよ。」
為朝はしばらく黙って考えていましたが…
為朝「兄上!頼みがございます!」
義朝は振り向き、
義朝「頼み…言ってみよ。」
為朝「我は流罪となり、京や九州には戻れまい。我が家族の行く末を…守ってほしいのです!」
つづく…







