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上皇さんは剃髪して出頭したんだよ
これを知った上皇方の貴族、武士は続々と後白河天皇（ごしらかわてんのう）方に投降してきました。
天皇方の信西（しんぜい）と平清盛（たいらのきよもり）、源義朝（みなもとのよしとも）らは、
清盛「上皇様はいかがされるのか？」
信西「…京から離れて頂こうと考えておる。」
清盛「遠流か…」
結果的に上皇は讃岐国に流されました。そして讃岐の地で崩御されたのです。
上皇はいろいろあって、亡くなったのちに怨霊となったと有名な話があるね
信西「藤原摂関家は所領を没収しようと思ったが…関白の忠通（ただみち）殿が赦免懇願してきての…」
義朝「許されるのですか？」
信西「しかたあるまい。忠通殿の父、忠実（ただざね）は領地を忠通殿に譲らせ、幽閉とすることにした。」
藤原忠通
信西「謀反の張本人、頼長（よりなが）は流れ矢にあたり、その後、亡くなったようだ。」
義朝「哀れ…」
流れ矢で負傷した頼長は忠実に助けを求めたが、忠実は藤原摂関家を守るため頼長を見捨てたのです。
頼長さんの領地は天皇方に没収されたんだよ
義朝「投降してきた武士…我が父や兄弟はどうされるのか？」
清盛「我の叔父、忠正（ただまさ）もいるが…」
信西「武士か……」
一方、為朝は京から離れていました。
付いてくる家臣も太助（たすけ）、定吉（さだきち）、そしてイチとタカの兄弟だけになっていました。
太助「京からは離れましたが、まだ油断はできませぬな。」
為朝「定吉、頼みがある。」
為朝は定吉の肩に手をおき、
為朝「九州へ戻り、この現状を百合（ゆり）たちに伝えてくれ。」
定吉「なんと…」
為朝「この敗戦で鎮西の砦が危ない。これはそなたにしか頼めぬ。」
定吉「わかりました。オラに任せてください。」
さらに、
為朝「イチ、タカ！お前たちもここから離れるのだ。」
イチ「えっ！？」
タカ「お兄ちゃんへの恩返し、まだ終わってないよ。」
為朝「恩返し…なら、お前たちにも頼みがある。我の母、光（ひかり）に会ってきてほしい。」
イチ「お兄ちゃんの母上様…」
為朝「摂津国の江口に避難しておる。これを見せれば我の使いだとわかるはずだ。」
為朝は自らの矢を渡しました。
為朝「母者に我は生きていることを伝えよ。よいな？」
イチ、タカ「はい！！」
定吉とイチ、タカは走って行きました。
為朝「…これでよい。」
太助「殿（為朝のこと）、我はずっと付いていきますぞ。」
為朝「うむ、頼むぞ。」
為朝は敗走を続けました。
その後、京では恐るべきことが起きたのです…。
つづく…
