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為朝軍と義朝(よしとも)軍は激突しました。
為朝軍の兵は、わずか28騎だったが、より優れた兵は義朝軍を切り崩していきました。
義朝「くっ!これが鎮西の強者か!」
苦戦している義朝は家臣の鎌田政清(かまたまさきよ)に、
義朝「政清、信西(しんぜい)殿の元へ行き、火攻めの許しを得てまいれ!」
政清「火攻め!?」
義朝「そうだ、火攻めをすれば帝(後白河天皇のこと)の座す御所も焼けるやもしれん。それを承知して頂きたいのだ。」
政清「わかりました。早速!」
信西さんは後白河天皇(ごしらかわてんのう)さんの側近だね
政清が走り去った後、義朝に大男が襲いかかってきました。
義朝「!!為朝!!」
為朝「兄者!!戦の最中、よそ見は命取りぞ!!」
ガチッン!!バチッ!!
為朝と義朝は太刀を激しくぶつけ合いました。
太刀が交差し押合いをしている時、
為朝「兄者!!我と一緒に来てくれ!!」
義朝「何っ!?」
為朝「これ以上、我らが戦っても源氏(げんじ)の力が削がれるだけだ!!兄者とて、そんなことは望んでおらぬはず。」
義朝「……為朝」
為朝「父上(為義のこと)と一緒に九州へ行こう!!」
義朝「九州!?行ってどうするのだ!?」
為朝「朝廷とは無縁となって、我らが治めるのだ。」
義朝「……無理だ!!そんなのは無理だ!!許せ!為朝!!」
バシッ!!
義朝は為朝を殴り、後ずさっていきました。
為朝「兄者!!」
他の兵が入り乱れ、為朝と義朝の距離は離れていきました。
為朝軍は善戦しましたが、やはり兵数の差があり、次第に押されていました。
ここで為朝の家臣、太助(たすけ)が、
太助「殿!我が兵が討たれ…減っております。」
為朝「太助!肩に矢が…」
太助はその言葉を遮るように、
太助「大したことはごさりませぬ。接戦は不利にごさいます。ここは一旦退いて館から攻めましょう!」
為朝「わかった!皆を門の中に退かせよ!」
義朝さんの兵は200騎だからね
しかし、為朝は義朝を捕えることができないと思っていました。
門内に兵を退いた為朝は、
為朝「こうなれば…兄者を狙う!」
為朝の矢は義朝に狙いを定めたのです…
つづく…