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里香ちゃんは為朝さんと百合さんの2人目の子供だよ
為朝「うむ…京では我が九州で暴れて悪事を働いているとなっているらしいのだ。」
百合「そんな嘘がなぜ広まっているのでしょう?八郎(為朝のこと)は民のために悪い目代や役人を成敗しているだけではないですか…」
為朝「なぜか違うような事になっておる。さらに我が京からの出頭の宣旨にも応じないとなっている…いったい何のことか…」
百合「宣旨など来てないのに…」
為朝「京へ訴えたのは香椎宮(かしいぐう)の神人のようなのだ。今、太助(たすけ)が調べに行っておる。まもなく戻る…おっ…戻ったかな。」
香椎宮
そこへ太助が戻ってきました。
太助「殿(為朝のこと)、香椎宮では、そんな訴えはしておらぬと…」
為朝「何!?では、誰かが偽ったと言うことになる。」
百合「殿に恨みを持つものの仕業と思います。」
為朝「京に行くのは、これだけではない…父、為義(ためよし)と兄、義朝(よしとも)が一触即発の状態になっておると父の文に書いてある。」
源為義
源義朝
太助「お二人は実の親子ではないですか!なぜ争っているのでしょう?」
為朝「詳しくはわからぬが…兄は父が仕える藤原忠実(ふじわらのただざね)様でなく、鳥羽法皇(とばほうおう)様に仕えるようになった…兄は次男の義賢(よしかた)をも討ったともある。」
百合「一族で争うとは…」
為朝「源氏が一族で争うことは、昔もあった。これを止めねばならぬ。太助、全員は連れてはいかぬ。少数で行こう。」
太助「では、選んできましょう。」
為朝「百合、留守を頼むぞ。八太(はちた)と里香を頼む。」
百合「はい…八郎…」
百合は心配な表情をしていました。
数日後、出発の日。
太助が選んだ上洛する兵は28名でした。
為朝「太助、もっと減らしてもよいのだぞ。」
太助「これでも減らしたのです。京では何があるかわかりませぬゆえ。」
為朝「…まぁ、よい。家遠(いえとお)、留守を任せたぞ。」
家遠「任せてください。お方様(百合のこと)も若様(八太のこと)も姫様(里香のこと)も我が守ります。」
百合は為朝に近づき…
百合「八郎……ご武運をお祈りします。」
為朝「百合…」
為朝は八太、里香ともに百合を抱きしめました。
為朝「任せておれ。無事戻ってくる。」
為朝と28名の兵は京へ向けて出発したのです…
つづく…
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