前回まではこちら⬇️
現在の大分県竹田市辺り
為朝は、
為朝『…やっと百合(ゆり)に会える』
砦に近づてくると、前方から、
「八郎(為朝のこと)様ぁ〜」
「お待ちしておりましたぁ〜」
「八郎さんが帰ってきたぁ〜」
平吉(へいきち)や定吉(さだきち)は、
平吉「おぉ、皆んな〜帰ってきたぞ〜!」
定吉「村の子らも大きくなったぞ〜!!」
集落に残っていた民らが迎えに来たのです。
民は為朝の周りに群がり喜んでいました。
為朝は民と喜びながら、百合の姿を探していました。
すると、
「八郎!!」
為朝の目に百合と百合の父、三郎(さぶろう)の姿が入ってきました。
為朝「百合っ、ゆっ…」
為朝の周りには民が群がり、百合や三郎の側には行けませんでした。
皆んな、為朝さんをヒーローのように慕ってるんだね
「皆んな、今夜は八郎様を囲んで宴だ!」
「そうだ、祝いだ!」
「酒だ!肴だ!」
その夜、砦で宴が行われました。
家臣の太助(たすけ)や家遠(いえとお)らは酒に酔い、
家遠「為朝様の弓矢の一撃は敵なしですな。」
太助「まさに天下無双の弓矢だ。」
為朝「ハハハッ、そんな褒めるな。」
そこへ1人の老人がいました。
そして、
老人「ほぉ、天下無双とな?ひとつ見てみたいものですな。この老いぼれの冥土の土産にしたいですな。」
太助「う〜ん、爺さん、誰だぁ〜?」
家遠「為朝様の弓矢は8人かがりでも引くことはできぬのだぞ〜」
老人「ますます見たくなりましたな。」
為朝は老人の顔を見て、
為朝「爺さん、何なら見せてやろう。」
為朝は大弓を引き、大きな木に向けて矢を放ちました。
バギッ!!
矢は木を打ち抜き、木は倒れてしまったのです。
見ていた集落の民は驚き、声を上げました。
為朝「爺さん、どうだい?」
為朝が老人の方を振り向いたら、
為朝「あれっ?爺さんは?」
老人の姿はどこにもありませんでした。
太助「爺さん、どこ行った?」
家遠「為朝様の矢を見て、怖気付いて逃げたんだろ。」
為朝も家臣らも民も不思議に思いましたが、宴は夜遅くまで続きました。
その夜…砦に近づく者がいました…
つづく…
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