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百合「お父!!」
家には百合の父、三郎(さぶろう)がいました。
三郎「百合!!無事であったか!?」
百合「八郎(為朝のこと)が助けてくれたの。」
百合の後ろには為朝がいました。
為朝「三郎、ようやく記憶が戻ったぞ。世話になり礼を申す。」
三郎「なんと!百合だけでなく記憶まで無事に戻ってくるとは…さすが源氏の御曹司様じゃ。」
「ハハハハハハッ」
皆で大笑いしました。
その夜、為朝は三郎や百合とお祝いをしました。
三郎「大したものはないが、百合と八郎様の記憶が戻ったお祝いじゃ。」
百合「お父、魚も取ってきたのね。」
為朝「いただきます!!」
為朝は豪快に食べたのです。
山の中だから川魚だな
しばらくすると、定吉(さだきち)を始めとする集落の人々が三郎の家に集まってきました。
三郎「おぉ、皆集まって、どうしたのじゃ?」
定吉「皆、あの目代には嫌がらせをされて苦しめられた。八郎さんにお礼を言いにきたのじゃ。」
為朝「そうか…あの目代はそんなに悪い奴だったのか。ならば大事してよかった。」
「八郎さん、ありがとう」
「これで安心して畑に出れる。」
「本当にありがとうございます。」
皆、次々と為朝に礼を言っていました。
ただ定吉は険しい表情をしていました。
為朝「定吉、難しい顔をしてどうした?」
定吉「目代の家臣の八代(やしろ)が逃げたままなんです。」
為朝「八代?そんなものがいたのか?」
定吉「惟盛は国司から任じられた目代。逃げた八代が他の目代を連れてきて攻めてくるのでは…」
為朝「うむ〜、しばらくは我が集落を守る。」
数日後、定吉が慌てて畑仕事をしている為朝の元にやって来ました。
定吉「はっ、は、八郎さん!」
為朝「どうした?八郎、息が切れておるぞ。」
定吉「隣りの集落で八郎さんのことを聞いて回る役人がいたそうじゃ。もしかしたら八代が新たな目代と攻めてくるのでは?」
為朝「来たか!定吉、手筈通り、皆を集まっておくのだ。」
定吉「はい!!」
為朝は集落の入口に村人らを集め、手製の弓や槍を持たせ、あちこちに隠れさせました。
為朝「皆、我の合図で一気に攻めるのだぞ。」
集落は静まりかえっていました。
そこへ、
「為朝様ぁ〜」
為朝はその声に聞き覚えがありました。
為朝「あれは…太助(たすけ)!」
為朝の家臣、太助だったのです…
つづく…
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