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八郎は元服しました。
この時代、大人になる儀式をして烏帽子をかぶるんだよ
父、為義(ためよし)は、
為義「八郎…いや今からは為朝(ためとも)だ。」
八郎改め為朝「はい、父上と兄、義朝(よしとも)の名を頂き誠に嬉しゅうございます。」
為義「今から、そなたは九州に行くのだ。形は追放だが、九州を源氏(げんじ)の勢力してまいれ。」
為朝「その追放、有り難くお受けいたします。」
為義はニコリと笑い、
為義「太助(たすけ)!!」
そこへ男が来ました。
太助「太助、参りました。」
為義「為朝、この太助は源氏の家人。そなたに従って九州に参る。」
為朝「太助、頼むぞ。」
太助「はい、為朝様に従いまする。」
為義「豊後に向かうのだ。我に従ったことのある尾張権守家遠(おわりごんのかみいえとお)がおるゆえ、頼るのだ。」
為朝「かしこまりました。」
為朝は準備をし、館を出ようとしたところに母、光(ひかり)と弟である九郎(くろう)が待っていました。
為朝「母上…」
光「八郎…いや為朝、あなたはもう立派な大人。父上の期待に応えれると母は信じております。」
為朝「母上、我に任せてください!」
為朝は弟の九郎の頭を撫でて、
九郎「兄上!」
為朝「九郎、母上を頼むぞ!」
九郎「はい!かしこまりました!」
九郎くんは為朝さんと同じ母で、後の為仲(ためなか)さんなんだ
為朝は太助とともに居館を出ました。
為朝「太助、京を出る前に兄、義朝に会って行きたい。居館へ向かうぞ。」
為朝らは義朝の居館に行ったが、迎えたのは義朝の正室、由良(ゆら)でした。
由良「ごめんなさい、我が殿(義朝のこと)は今は出掛けています。」
為朝「そうですか…残念です。」
そこへ、幼い声が響きました。
「八郎叔父上!」
現れたのは義朝と由良の子、鬼武者(おにむしゃ)でした。
為朝「これは鬼武者!元気であるな。」
由良「鬼武者、八郎殿は元服して名を為朝殿になったのよ。」
鬼武者「為朝殿…八郎叔父上は八郎叔父上。」
為朝「ははははっ!確かに八郎は八郎だな。鬼武者!はははっ!」
為朝は九州に行くこと、その事情を由良に話した。
由良「では、これから九州に?」
為朝「はい、行く前に兄上に会って、一字を頂いたお礼を言いたかったのですが…仕方ありませぬ。為朝が来たことをお伝え願います。」
由良「わかりました。必ず伝えますね。お気をつけて。」
為朝は義朝の居館を後にし、九州へ向かったのです。
義朝と次に会うのは…戦場になろうとは。まだ後のことです。
つづく…
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