猛将親父 〜第148話 経言帰る〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次



天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。


天正11年(1583年)11月、経言(つねのぶ、後の広家)は大阪から安芸に戻った。

コアラ経言さんは羽柴秀吉(はしばひでよし)さんの元に人質として行っていたけど、1ヶ月で返されたんだ

吉田郡山城


吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)に入った経言は毛利(もうり)家当主、毛利輝元(もうりてるもと)や小早川隆景(こばやかわたかかげ)、兄の元長(もとなが)に会った。



経言「ただいま、大阪より戻りました。」


輝元「うむ、ご苦労であった。大阪はどうであった?」


経言「新たな大阪城(おおさかじょう)は、まさに壮大豪華でした。」


元長「しかし、一緒に行った小早川元総(こばやかわもとふさ)は残され、経言が返されたのは、なぜだろうか?」


経言「私が武芸ばかり磨いていたから、お気に召さなかった…のかもしれませんね。元総殿は秀吉(ひでよし)様に気に入られ、1字を与えられて秀包(ひでかね)と改名しましたから。」


小早川元総改め、小早川秀包



輝元「まだ秀吉とは国分がまとまらぬ状況だ。元総…いや秀包が気に入られたとはいえ、安心はできぬ。」


隆景「その通りです。秀吉は宇喜多(うきた)を毛利の抑えとして配置しております。」


輝元「…まずは経言、此度の功に隠岐国を与える。」



元長「おぉ、これはありがとうございます。」


経言は喜ぶ元長を尻目に表情は変わらなかった。


元長「経言、御礼を!」


経言「ありがとうございます。これから先も精進いたします。」




その後、経言は吉田郡山城から出立しようとした。


そこに隆景が声をかけてきた。


隆景「経言、秀吉殿は元春兄上については触れなかったか?」


経言「それは…」


隆景「隠さずともよい。秀吉殿がそなたを大阪に呼び寄せたのは、何かを言いたかったはずだ。」


経言「…秀吉様は父上(元春のこと)のことを恐れておいでです。しかし、いつかは父上を平伏せさせるとも…」


隆景「やはりか…いつかは兄上自身が出陣する時がくるやもしれぬな。」


経言「父上が出陣?それは秀吉様と戦うということでしょうか?」


隆景「わからぬ…しかし、毛利は天下を望まぬ。兄上もそれはよくわかっておるからの…それと隠岐国は有り難く頂戴しておけ。」


経言「…はい。しかし、以前は私の小笠原(おがさわら)家への養子の話を反対されたのに、今さら隠岐国とは…」


コアラ以前、経言さんは石見小笠原家の養子になろうとしたけど、元春さんの許しは得たのに輝元さんが猛反対して、養子の話は無くなったんだ


隆景「殿(輝元のこと)もそなたのことを気になされていたのじゃ。もう不満に持つでないぞ。」


経言「かしこまりました。」





経言は元春のいる日野山城(ひのやまじょう)麓の館に入った。



元春は槍の腕を磨いていた。


経言「父上、ただいま戻りました。」



元春は槍を置き、


元春「うむ、役目大義であった。」


経言「秀吉様を見てまいりました。秀吉様は…」



経言が喋ろうとしたのを元春は遮り、


元春「そなたが見たのであれば、それでよい。」


経言「…はい。では私も槍の稽古をいたします。」


元春「うむ、では、わしの相手になれ。」







年が明けた天正12年(1584年)1月、


秀吉は天下統一を目指すべく、動き出した。


その相手が徳川家康(とくがわいえやす)である…




つづく…




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