猛将親父 〜第145話 従うか戦うか〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



「毛利(もうり)はわしに従え!」



天正11年(1583年)4月の賤ヶ岳の戦い柴田勝家(しばたかついえ)に勝利した羽柴秀吉(はしばひでよし)は毛利家の重臣・小早川隆景(こばやかわたかかげ)に書簡を送ってきた。


コアラ信長(のぶなが)さん亡き後の主導権を秀吉さんが完全に握った戦いだね




隆景は毛利家当主、毛利輝元(もうりてるもと)に秀吉からの書簡を見せた。





輝元「…秀吉は強いの」


隆景「強い秀吉にこれ以上、毛利が中立を保つのは難しい状況です。」



そこへ元春の嫡男、吉川元長(きっかわもとなが)がやって来た。


元長「遅くなりました。」


輝元「元長、これを見よ。」


輝元は秀吉からの書簡を元長に見せた。



元長「…毛利は秀吉の臣下になるのですか?」


輝元「今の秀吉に攻め込まれたら…今度こそ毛利は滅亡だ。」


隆景「元長、兄上(元春のこと)は何をしている?」


元長「父上は新たな居館の建築をしております。経言(つねのぶ、後の広家)も一緒です。」




吉川元春館、石垣跡



元春は日野山城(ひのやまじょう)の麓に居館を建てていた。


コアラ元春さんの隠居する居館なんだよね


沢山の人が集まり、居館の建築に携わっていた。



元春も経言も一緒に木材を運んでいた。


元春「経言、そこの木材をあちらへ運べ。」


経言「はい…」



経言は居館の建築より元長が輝元のところへ呼ばれたことが気になっていた。



カラッン!!


経言は木材を足の上に落とした。


経言「痛っ!!」


元春「何をしておる⁉︎ 先ほどから気持ちが上の空だな…吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)に行った元長のことが気がかりなのであろう?」



経言は思っていたことを当てられ、ドキリと驚いた。


経言「兄上(元長のこと)が呼ばれたのは、何か動きがあったのでしょうか?」


元春「…中央で秀吉が勝ったのであろう。それに伴い、今後の毛利の動きをどうするか…を話し合ってるのであろうな。」



元春には既にわかっていたのだ。


経言「父上はどうすればよいとお考えですか?」


元春「馬鹿者!わしは隠居した身だ。毛利の行く末は殿(輝元のこと)、隆景、元長らが決めるのだ。さぁ、わしらは居館を1日も早く建てねばならぬぞ。」



そう言って木材を運ぶ元春であったが、密かに中央の動きを調べさせていたのだ。





しばらくして秀吉は石山本願寺(いしやまほんがんじ)の跡地に城の築城を始めたのだ。


これが大阪城(おおさかじょう)である。



コアラ黒田官兵衛(くろだかんべえ)さんが築城の総奉行を務めたんだ



秀吉「官兵衛、城の普請は進んでおるようじゃの」


官兵衛「はい、殿の人の使い方を真似させておりまする。」


秀吉「各地の大名が驚くような城にするのだ。ところで、毛利から何か言ってきたか?」


官兵衛「賤ヶ岳の戦いの戦勝祝いは安国寺恵瓊(あんこくじえけい)を使者として送ってきました。」


秀吉「…やはり毛利からは人質を取るかの?」


官兵衛「よい策かと、ただし一方的にに取るより…」


秀吉「交換じゃな?」


官兵衛「はい、見事にございます。では恵瓊に伝えます。」


秀吉「吉川元春の子から人質を取るのじゃ。よいな!」





天正11年8月、元長が元春、経言のところに来た。


元春「元長、居館の建築の手伝いに来たのか?」


元長「それはいずれ…父上、秀吉から…」


元長は言いにくそうであった。それを察した元春は、


元春「毛利から人質を取るのであろう。」


元長「はい!その人質に…経言に行ってもらいたいのです。」



経言が人質に選ばれたのであった…





つづく…




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