猛将親父 〜第143話 誘われる毛利〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



天正10年(1582年)10月、本能寺の変から4ヶ月、京の大徳寺(だいとくじ)で羽柴秀吉(はしばひでよし)が織田信長(おだのぶなが)の葬儀を行なっていた。

大徳寺



コアラこの葬儀には織田家の重臣、柴田勝家(しばたかついえ)さんは不在だったんだ



筆頭宿老柴田勝家(しばたかついえ)と秀吉の対立はさらに激しくなっていた。





この状況下で毛利輝元(もうりてるもと)のところには秀吉、勝家、双方から味方になるよう誘いがきていた。


輝元「う〜ん、これは、どうすればいいのか…?」


輝元の元には小早川隆景(こばやかわたかかげ)と吉川元長(きっかわもとなが)が来ていた。


小早川隆景


隆景「殿(輝元のこと)、今は当家の意志を見せてはなりませぬ。」


輝元「どっちつかずでよいのか?」


隆景「今の状況、どちらが勝つかわかりませぬ。」


輝元「元長、元春叔父上はなぜ来ないのだ?何をしている?」


元長「父上は日野山城(ひのやまじょう)に引きこもり、経言(つねのぶ、後の広家)と毎日武芸の稽古に励んでおりまする。」


隆景「…兄上(元春のこと)らしい。」


元長「父は毛利は他家の揉め事に絡んではならぬと申しておりました。毛利は毛利の領地を収めるのが元就(もとなり)様のご意志に沿うことだと…」


輝元「天下を競望せず…か」





日野山城では、



カラッ、カランッ


経言の木刀が地面に落ちた。


経言「くっ!」


元春「経言、拾え!まだ終わらぬぞ!!」


経言「わかっておりまする!まだまだ!!」



元長の言うとおり、元春は武芸の稽古をしていたのだ。






一方、備後の鞆にいる足利義昭(あしかがよしあき)は、


義昭「わしは勝家の味方をするぞ!!」



義昭は意志に勝家も承知したのだ。


さらに義昭は越後の上杉景勝(うえすぎかげかつ)と勝家を講和させるため、景勝に御内書を下したのである。


上杉景勝



コアラ勝家さんは北陸にいて、背後に越後の上杉景勝さんがいて敵対関係にあったから、義昭さんが仲介したんだね



義昭「これで上杉は問題ない。勝家が勝てば、わしは京に帰れる。後は毛利を勝家の味方にせねば!」





その年の末…元春は一大決心をした。


元春は日野山城で妻の(ゆう)、元長ら家族全員、家臣らを集めた。


そして…


「わしは隠居いたす!」




つづく…



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