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羽柴秀吉(はしばひでよし)は能楽を楽しむ酒宴を催していた。
酒宴には京都所司代の村井貞勝(むらいさだかつ)さんや堺奉行の松井友閑(まついゆうかん)さんらが来ていたんだ。
秀吉「美しゅうございますなぁ〜」
貞勝「秀吉、中国攻めはどうなのだ?のんびりしてると上様(信長のこと)に怒られるぞ。」
秀吉「心配御無用にございます。この酒宴は上様に断っておりますゆえ。それにすでに中国攻めは動いております。」
友閑「ほぉ…さすが中国攻めの総大将ですな。」
そこへ秀吉の小姓、石田三成(いしだみつなり)が秀吉の傍らに来た。
秀吉「三成、因幡の事は動いておるか?」
三成「はい、米の買入れは順調に進んでおりまする。」
秀吉「うむ、では、わしも行くかの。」
石田三成
石田三成…わしとは因縁浅からぬ武将になる。もっと後ほどのことになるが…
6月、秀吉は因幡国の鳥取城(とっとりじょう)の攻略に取り掛かった。
鳥取城は前年に3ヶ月の籠城戦で城主の山名豊国(やまなとよくに)は秀吉との和議に傾いていましたが、家臣の森下道誉(もりしたどうよ)、中村春続(なかむらはるつぐ)らが反対していました。
豊国は単身で秀吉に投降したのです。
城主のいなくなった鳥取城内では、
道誉「このまま城主なしで秀吉と戦うのか?」
春続「元春様に新たな城主を選んで頂こう。」
春続さんは元春さんの命で豊国さんの家臣に入っていたんだよ
鳥取城からの依頼を受けた元春は、
元春「秀吉、山陰から攻めてきたか…」
この依頼を聞いたわし…経言(つねのぶ、広家の前名)は、
経言「父上!わしを鳥取城に行かせてください。見事、織田(おだ)勢を倒してみせます。」
元春「馬鹿者!!まだ早いわ!!」
わしは元春の一喝にびびってしまった。
元春は忍びの弥助(やすけ)を呼んだ。
元春「弥助、石見福光城(いわみふくみつじょう)の吉川経家(きっかわつねいえ)に、この書状を渡してくれ。」
経言「経家殿が鳥取城に行かれるのですか?」
元春「うむ、経家はかつては尼子(あまこ)の5,000人の兵を迎撃するほどの強者だ。」
吉川経家像
弥助は書状を受け取り、
弥助「殿(元春のこと)…気になることがあります。」
元春「なんだ?」
弥助「因幡の百姓によると、米や麦を他国から来た商人が高額で買い占めているのです。何か起きているのでは…」
元春「兵糧を買い占める…弥助、経家に会った後、そのことを調べてくれ。」
元春は嫌な予感がしていた…。
つづく…
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