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鹿介「義久様…くっ、…ガァ!!」
鹿介はあらん限りの力を振り絞り、立ち上がった。
戦っている元春は鹿介を見つめ、
元春「ここまでだ!!」
鹿介「!!」
鹿介は再び地面に倒れた。
義久「鹿介、よくやった。ここまで尼子のために…よく戦ったぞ!!」
鹿介「義久様…尼子は再興できず…」
義久「よいのだ。そなたが尼子の意地を見せてくれた。それで、わしは満足だ。僧であった勝久(かつひさ)をよく当主に育ててくれた。勝久も満足しているであろう。」
鹿介は義久の言葉に笑みを浮かべた。
鹿介「……鹿介、最後の意地を見せまする。」
元春「!!」
ザクッ!!
鹿介は太刀で自らの腹を切ったのだ。
義久「鹿介!!」
義久は鹿介を抱えた。
鹿介「……義久様、これが最後の…意地にございます。」
義久「毛利に仕えることはいやか?」
鹿介「ここまで戦った相手…今さら仕えることはできませぬ。」
義久「…うむ、もうよい。」
鹿介「……元春、最後の舞台をもらって…礼を申す。義久様…ありがとうございます…」
鹿介は静かに目を閉じた。
元春「山中鹿介…正真正銘、天下無双の武将である。」
鹿介の最後を小早川隆景(こばやかわたかかげ)も見ていた。
義久をここまで連れてきたのは隆景であったのだ。
元春も隆景も鹿介を毛利の武将にしたかったんだよね
上月城(こうづきじょう)が落ち、毛利は安芸、周防、長門、備前、備中、備後、美作、因幡、伯耆、出雲、隠岐、石見、さらには讃岐、但馬、播磨、豊前の一部を領有し、元就(もとなり)の時代より、はるかに上回る領地を支配したのである。
輝元(てるもと)の本陣がある備中高松城(びっちゅうたかまつじょう)に戻った元春と隆景は、輝元と謁見した。
毛利輝元
輝元「秀吉(ひでよし)は三木城(みきじょう)の別所長治(べっしょながはる)に釘付けになった。ここで我らが秀吉の背後を突けば…」
隆景「なりませぬ。未だに宇喜多直家(うきたなおいえ)の動向がわかりませぬ。」
輝元「直家は我らに付いたではないか⁉︎それが証拠に上月城攻めにも参戦しておる。」
元春「直家が出陣したわけではありませぬ。やつは様子を見ておる。」
隆景「我らが三木城に軍を進めば、裏切ることも考えられる。さらに九州の大友(おおとも)らも織田(おだ)からの誘いを受けている。」
輝元「……しかし、織田はさらに窮地に落ち入るぞ。」
元春「なぜにございます?殿(輝元のこと)」
輝元は含み笑いをした。
含み笑いの意味は現実となった。
三木城を攻めていた織田軍の一翼、摂津の荒木村重(あらきむらしげ)が信長(のぶなが)に反旗を翻したのである…
つづく…
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