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毛利元就
隆元さんが言う天文11年って、毛利が大内家(おおうちけ)配下時に月山富田城を攻め、敗走した時のことなんだよ
一方、月山富田城では…
「裏切りおったな!!」
尼子義久(あまこよしひさ)の怒鳴り声が城中に響いた。
家臣の宇山久兼(うやまひさかね)はびくついた。
久兼「殿、落ち着いてくださいませ。」
義久「これが落ち着いていられるか!!毛利が尼子との和議を破ったのだぞ!わしは石見不干渉を守ったではないか!それなのに…」
毛利と尼子は将軍、足利義輝(あしかがよしてる)の仲介で雲芸和議を結んでいたんだ
久兼「毛利は3万の軍勢で進軍しております。」
義久「…どうするのだ⁉︎ 尼子から毛利に寝返る国人衆が増えておるのだぞ!」
久兼「…月山富田城は天文の戦でも落ちませぬ難攻不落の城。大丈夫でごさいます。」
義久「あの時とは状況が違うであろう!」
この時、居並ぶ家臣の最後列にいた1人の武将が声を上げました。
武将「恐れながら…」
久兼「ん?なんだ?」
武将「九州の大友(おおとも)に決起を促してみてはいかがでしょうか?」
義久「大友…そうだ、大友は毛利と豊前国で争っておる。大友が決起すれば毛利を挟み撃ちにできる。よい策じゃ!久兼、すぐ使者を走らせよ!」
久兼「では早速に!」
義久「今、声を上げたもの…名を何と申す?」
武将「はっ!我は山中鹿介幸盛(やまなかしかのすけゆきもり)と申します。」
山中幸盛
義久「鹿介…覚えておこう。よい策じゃ」
出雲に進軍する毛利の陣に九州の大友宗麟(おおともそうりん)が動いたと報せが入った。
元就「大友が豊前に出兵したぞ。」
元春「…これは尼子と大友の連係ではごさいませぬか?」
元就「うむ、尼子が大友に要請したのだろう。」
隆景「これでは我らは尼子と大友に挟まれまする。」
ここで隆元が、
隆元「父上、元春と隆景と共にこのまま進軍してくだされ。大友にはわしが行ってきます。」
元就「隆元、どうするのだ?」
隆元「大友とは和議を結んできます。将軍義輝公に仲介をお願いしましょう。」
元春「和議?大友が飲みましょうや?」
隆元「多少、こちらが不利でも和議を成立させます。今は尼子攻めが先決です。」
隆元の発言には威厳があり自信に満ちていた。
隆景「隆元兄上、頼みまする。」
元春「大友は兄上に任せて我らは尼子を討つ!兄上、尼子は我らに任せてくださりませ!」
隆元、元春、隆景の3人は手を握りあった。
しかし…これが3人で会う最後となったのだ…
つづく…
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