猛将親父 〜第59話 将軍の書状〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



永禄4年(1561年)11月1日、元春と(ゆう)の間に第三子が誕生した。

名を才寿丸(さいじゅまる)、後の吉川広家…私です。

吉川広家



元春「優、3人目も男子とは、我が兄弟と同じようだ。」


優「あらっ、殿には姉上様のしん様がいらっしゃいますよ。」


元春「そうであった。姉上に怒られるな!(笑)」


優「元資(もとすけ)、宮松丸(みやまつまる)、あなた達の弟です。仲良くするのですよ。」


元資、宮松丸「はい!!」


コアラ元資さんが長男、宮松丸くんが次男だね



元春「元資、そなたを支えるものになろう。頼むぞ。」




この時、まさか私が吉川家のみならず毛利(もうり)家の行く末を任されるとは元春も優も、私も思いもよらぬことであった。




年が明け、永禄5年(1562年)…



吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)に隆元(たかもと)、元春、小早川隆景(こばやかわたかかげ)の三兄弟が元就(もとなり)に呼ばれていた。



隆元「将軍、足利義輝(あしかがよしてる)公から書状が来た。」


足利義輝


隆景「将軍様が毛利に…また官位でしょうか?」


隆元「いや…今回は尼子(あまこ)との和議の調停だ。」


元春「和議…尼子は晴久(はるひさ)が亡くなったばかり。家中が動揺している時期。これは尼子から将軍様に頼んだことでは?」


元就「うむ、元春の言うとおりであろう。尼子は晴久の子、義久(よしひさ)になり家臣団の動揺を抑えるために行なったことだろう。」



尼子義久は晴久が急死でいきなり家督を継ぐことになり、家臣のみならず尼子に従っていた国人衆も動揺していたのだ。



隆景「父上、尼子を攻めるのですな?」


元就「いや…この和議を受けようと思う。」



隆元、元春、隆景は驚いた。


元春「父上、尼子が動揺している今こそ好機ではありませぬか?」


元就「まぁ聞け。今、毛利が取るべきは石見銀山(いわみぎんざん)だ。」



コアラ石見銀山は尼子方の勢力下にあって毛利は2回も尼子晴久さんが生きている時に取ろうとして負けてんだよね



元就「ここで和議を受けるが…条件を出す。それは…」


隆景「石見に干渉しない…ですね。」


元就「隆景、先に言うでない…まぁ、そのとおりだが。尼子が石見に干渉しなければ容易に石見銀山は毛利のものとなる。」


元春「石見の国人衆は尼子に見捨てられた形になります。毛利方に付く…」


元就「銀山が手に入れば和議を決裂して…そこから尼子攻めをする!」


隆元「尼子の月山富田城(がっさんとだじょう)攻め…我らの念願。」



ついに毛利は尼子攻めに動き出したのである。





元春は早速動くために自らの居城、日野山城(ひのやまじょう)に戻った。


優「殿、お帰りなさいませ。」


元春「優、尼子攻めが始まるぞ!準備をせねば……うっ…」



元春は突然苦しみだし、その場にうずくまった。


優「殿!どうされたのですか⁉︎ 殿!!」






つづく…






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