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天下を競望せず…
わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。
永禄2年(1559年)8月、元春ら毛利(もうり)軍が石見国の温湯城(ぬくゆじょう)を陥落させた。
[余湖くんのホームページよりお借りしました]
元春の陣に温湯城内にいた忍びの弥太郎が元春の家臣の福原元正(ふくはらもとまさ)によって運ばれてきた。
弥太郎さんは前の忍原の戦いで嘘の情報を元春に伝えていたんだよね
弥太郎はなぜか縄で縛られて、傷つき気を失っていた。
元春「弥太郎は城のどこにいたのだ?」
元正「牢屋にいました。見つけた時はこの状態でした。」
元春は不思議に思った。
『弥太郎は尼子(あまこ)の忍びになっていたのではなかったのか?なぜ傷つき牢屋にいたのか?』
元正「殿、こやついかがしましょうか?」
元春「縄を解き、手当てをして向こうで休ませておけ。」
元春は、その後の進軍に関して毛利元就(もうりもとなり)らと軍議を行なった。
元就「尼子の援軍は豪雨で江の川を渡ることはできておらぬ。今のうちに山吹城(やまぶきじょう)を落とす!」
元春「取られた城を必ず取り返す!」
元就「今宵は兵を休め、明日進軍いたすぞ。」
江の川
温湯城の援軍として尼子晴久(あまこはるひさ)が出陣していたが、江の川の増水で進軍できずにいたのだ。
家臣の宇山久兼(うやまひさかね)は慌てていたが、晴久は全く焦りはなかった。
久兼「殿!温湯城が落ちましたぞ!江の川さえ渡れていれば…」
晴久「久兼、焦るな。毛利は崩れる。」
久兼「崩れるとは、どういう意味ですか?」
晴久「まぁ、見ておれ…」
晴久は含み笑いをした。
その夜…
毛利軍は各陣で就寝していた。
元春も眠っていたが、忍び寄るものがいた。
『縄を解くとは…甘いやつめ…』
そのものは小刀を抜き…
『これも、梅を助けるため…悪く思うな…』
そのものは眠っている元春に襲いかかった…
つづく…
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