前回まではこちら⬇️
天下を競合せず…
わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。
弘治元年(1555年)…その時、尼子晴久(あまこはるひさ)備前を攻めていた。
晴久「陶晴賢(すえはるかた)が毛利元就(もうりもとなり)に討たれたか…」
晴久は晴賢と前年に同盟を結んでいたが、この関係は自然消滅となった。
晴久は尼子氏重臣の宇山久兼(うやまひさかね)を読んだ。
晴久「久兼、陶が討たれた。大内(おおうち)は潰れると思うが…どうだ?」
久兼「毛利が周防長門を攻めて大内家は一掃されるでょう。我らは今、大内が抑えていた石見銀山(いわみぎんざん)を取る好機!」
晴久「うむ、銀山を抑えるには今が好機だ。備前は後回しだ。だたちに退いて石見に向かうぞ!」
晴久は備前から退き、石見の国人、小笠原長雄(おがさわらながかつ)と結んだのだ。
元春は吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)から自らの居城、日野山城(ひのやまじょう)に帰った。
「おかえりなさいませ」
元春の妻、優(ゆう)と長男の鶴寿丸(つるじゅまる)が元春を出迎えた。
元春「優、お腹は大事ないか?」
優「はい、順調にございますよ。」
この時、優は妊娠しており、大きなお腹であった。
元春は鶴寿丸を抱き上げ、
元春「鶴寿、元気にしておったか?武芸は励んでおるか?」
鶴寿丸「はい、父上!」
元春「おぉ、そうか…ところで優…あまり姉上(しん)と揉めるでない。」
優「郡山城で何か言われたのですな?私は殿を侮辱するような発言が許せなかったのです。」
元春「姉上は幼き時に毛利のために宍戸隆家(ししどたかいえ)殿に嫁ぎ、毛利を思う気持ちは我らに負けておらぬ。察してやってくれ。」
優「…はい。」
元春「されど、そなたのわしを思う気持ちは嬉しいぞ。」
優「はい!ところで…殿に会わせたい者がおりまする。よいですか?」
元春「ん?誰だ?」
優「入りなさい。」
そこへ現れたのは、若き男子であった。
「ご無沙汰しております。」
元春は、キョトンとした。
元春「ご無沙汰とは…初めてではないか?」
優「殿がわからぬのも無理はごさりませぬ。殿、私との初めて会った時のことを思い出してください。」
元春「初めて会った時のこと……わしが馬を走らせていて、跳ねそうになった子供を優が助けた…まさか、その時の?」
優「はい、その時の子が大きくなったのです。名を弥太郎(やたろう)。」
弥太郎「弥太郎です。」
優「弥太郎は、私と殿に仕えたいと、幼き時より忍びの修行をしていたのです。」
元春「ほぉ…」
弥太郎「毛利様の世鬼政時(せきまさとき)様に教えて頂きました。」
世鬼は毛利家の忍びの活動をしている一族である。
元春「政時の元で学んだとは本物だな。よし、吉川に仕えよ!」
弥太郎「ありがとうございます。早速ですが、殿にお知らせしたいことがあります。尼子晴久が石見銀山を手に入れるため、備前から石見に向かっております。」
元春「晴久が⁉︎ やはり銀山を抑えに来たか…弥太郎、尼子の動きから目を離すな!」
弥太郎「はっ!」
元春はすぐ様、石見に出陣したのだ…
つづく…
にほんブログ村




