天狗将軍 〜第106話 政元の本音〜 | 歴史を感じよう

歴史を感じよう

日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。



永正4年(1507年)4月、細川政元(ほそかわまさもと)は兵を率いて丹後攻めに出陣した。



養子の細川澄之(ほそかわすみゆき)、細川澄元(ほそかわすみもと)、重臣の赤沢朝経(あかざわともつね)、香西元長(こうざいもとなが)、三好之長(みよしゆきなが)ら大挙して若狭の武田元信(たけだもとのぶ)支援すべくの出陣だった。



コアラ丹後国の一色義有(いっしきよしあり)を征伐するんだね



政元の姿を忍びの紗奈(さな)は複雑な思いで見送っていた。


出陣の前日…

ーーーーーーーー


政元「わしはもう時期死ぬのだろう…だから斬られる夢を見るのだ…」

紗奈「殿も、私を同じ夢を見ておられましたか…」

政元「世はなかなか治まらぬ。紀伊、大和では畠山(はたけやま)や国人衆が騒ぎ、此度の丹後、阿波の細川成之(ほそかわしげゆき)の老ぼれもいつ裏切るかわからん状況、さらに周防の大内義興(おおうちよしおき)のところには足利義尹(あしかがよしただ)が京奪還を狙って潜んでおる。」


足利義尹


政元「我が京兆家内部も家臣同士で争う始末…わしの不徳の致すところなれど…こんな混乱な世、誰が望んだ!?」

紗奈「殿…」


政元は紗奈の前で本音をさらけ出した。

政元「わしは父、勝元(かつもと)から"この子がいれば細川京兆家は安泰"と言われたが…応仁の乱で混乱した世をどうして安泰にできるものか!?何が安泰なのか!?わしにはわからぬ!」


政元は目に潤んだものを見せた。そして紗奈を抱きしめた。



紗奈「殿…女を抱いては修験道の妨げになるのでは…」

政元「もうよい、わしは混乱した世から逃げたいがため、修験道にのめり込んだ。されど…それでも、わしの心は変わらぬ。」


紗奈は政元の腕を強く握り締めた。

政元「紗奈…わしの本音、そなたにしか言えぬ。こんなわしは混乱した世を治めねばならぬ。わしは突き進むしかないのだ。」

紗奈「殿、私は見守っています。殿の命は私が守ります。」

政元「うむ…。」



政元は紗奈を久しぶりに抱いた。


ーーーーーー




丹後は内紛続きだったが、政元軍の大挙しての進軍に淡きふためいた。



5月、澄之、香西元長の軍は石川直経(いしかわなおつね)の加悦城(かやじょう)を攻めた。


そして武田元信、赤沢朝経の軍は一色義有に攻撃を開始したのだ。




丹後側の激しい抵抗にあい、武田軍は死者を多くだし、なかなか一色軍を落とせなかった。



そんな中、京より政元に帰京を命じる勅旨があった。

コアラ勅旨って天皇の意思なんだよね



帰京は後柏原天皇(ごかしわばらてんのう)様からの命だったのだ…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜






にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村
コアラ宜しければバナー⬆️をクリックしてね