世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
文亀2年(1502年)秋、細川政元(ほそかわまさもと)の館に阿波守護家の細川成之(ほそかわしげゆき)、野州家の細川政春(ほそかわまさはる)が京兆家後継ぎのことでやってきていた。
そこで政元は成之が後継ぎに推す孫の六郎(ろくろう)と家臣の三好之長(みよしゆきなが)と会った。
成之「我が孫、六郎だ」
六郎「初めてお目にかかります。成之が孫、六郎にございます。」
政元「…うむ。礼儀正しい良い御子ですな。」
政元は六郎より、六郎の傍にいる三好之長が気になっていた。
政元「そちらの者は?」
成之「これは三好之長、六郎付きの家臣だ。」
之長「三好之長です。以後お見知り置きを…。」
成之「之長はわしに反して一揆を主導したりしたが…今は頼りになる家臣だ。」
成之「六郎は13歳、弓矢を得意とし文才もある。六郎こそ後継ぎにふさわしい人物だ。」
政元「政春殿はどう思われる?」
政春「最終的には政元殿が決めることだが…やはり細川の血筋から選ぶのが一門全て納得すると思う。」
政元としては阿波守護家からの養子は受けたくなかった。
かつて六郎の父、今は亡き細川義春(ほそかわよしはる)は足利義尹(あしかがよしただ)と繋がっていたからだ。
しかし、阿波守護家は細川氏では京兆家につぐ力を持つ家。それを細川一門から外したくはなかった。
政元「…今は決めることはできませぬ。今一度、考えさせてくだされ。」
成之「うむ、よく考えるのじゃ。頼むぞ。」
その頃、政元の嫡男、聡明丸(そうめいまる)が館の庭にいた。
木刀を持ち、剣術の稽古をしていた。相手は聡明丸より年上の若い武士であった。
聡明丸「……はっ!」
カツン!
聡明丸は早い動きで相手の木刀を叩き落としていた。
相手「参りました。…聡明丸様、剣術嫌いと聞いて相手を申し込みましたが、凄い剣術の腕ではないですか。」
聡明丸「嫌いだが、下手ではない。だが、剣術が強くても、今の世の争いはなくならぬ…そなた、名をなんと申す?」
相手「これはもうし遅れました。私は細川政春が長男、高国(たかくに)と申します。」
高国「聡明丸様はどう世を治めればよいとお思いか?」
聡明丸「武力だけでは争いはなくならぬ。他に治める手は…わしにもわからぬ。それをずっと考えておるのだ。」
高国は聡明丸にいい感情を持った。
政元は修験道の御堂で考えていた。
後継ぎをどうすべきか…
そこへ野州家の細川政春が入ってきた…。
つづく…
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