世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
明応2年正月、
「御所様!出陣はお止めください!」
細川政元(ほそかわまさもと)は第10代征夷大将軍・足利義材(あしかがよしき)に訴えた。
正月に義材は河内の畠山義豊(はたけやまよしとよ)討伐の大号令を出し、諸大名に出兵を要請したのだ。
政元は日野富子(ひのとみこ)を通じ、伊勢貞宗(いけさだむね)と一緒に義材に拝謁できたのだ。
いつもは義材の側近・葉室光忠(はむろみつただ)に阻まれていたが、我が母、富子の前に光忠にはどうしようもなかったのだ。
伊勢氏は幕府の政所執事を務める家柄なんだ
政元「御所様(義材のこと)、河内のことは畠山だけの争いではないですか!?」
義材「その畠山の争いがずっと続き、大乱に発展する…ここで終止符をつけねばならん!それができるのはわしだけだ!」
光忠「誠に御所様のおっしゃる通りでございます。」
政元は光忠をキッと睨みつけ、
政元「幕府が介入したために大乱になったのです!戦が大きくなれば民が苦しむ、国人たちが苦しむだけです!」
貞宗「先の六角征伐に続き、河内遠征…幕府の財政は逼迫します!」
そこに畠山政長(はたけやままさなが)が現れた。
今回の河内遠征は政長さんの依頼でもあるんだよ
政長「政元、此度の河内遠征で畠山がわしの元、1つになるのを恐れておるのだろ?1つになった畠山が細川を凌ぐ大名になることが嫌なのだろ?」
政元「何を!?」
政元は呆れてしまった。
義材「政元、此度はそなたは兵は出さなくてもよい。京を守備しておれ!」
そう言うと義材、政長、光忠はその場から出て行った。
貞宗「もはや、これまでですな…政元殿。」
政元「これが最後の通告だったのに…仕方あるまい。」
政元は拳を握り返し、立ち上がった。
明応2年2月、義材率いる討伐軍は京を出陣した。
政元は自邸で修験道の念を唱えていた。
そこへ紗奈(さな)が入っていた。
政元「紗奈か…首尾はどうだ?」
紗奈「河内にはいつでも繋がるようにしております。義豊殿は事が済むまで持ち堪えるとおっしゃってました。」
政元「うむ、ここからだな…」
政元は念を唱える声に力が入っていった。その顔はまるで天狗のようだった…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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