天狗将軍 〜第71話 大きな後ろ盾〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。





細川政元(ほそかわまさもと)は我が母、日野富子(ひのとみこ)の居る元小川御所に行った。

コアラ小川御所は将軍義材(よしき)の父・足利義視(あしかがよしみ)に壊されたんだよね



破却された小川御所には富子の居間は壊されず残っており、富子はそこに住んでいた。


日野富子像


富子「政元殿…来ましたか…」

富子は幾分やつれた感じを政元は受けた。

政元「御所様(義材のこと)率いる幕府軍は近江で六角(ろっかく)を追い詰めておりまする。」

富子「それは聞いております。義材は自らの力を見せつけたいのでしょう。」

政元「はい、我が細川は負けてばかりですが…」

コアラ細川軍は政元さんの家臣・安富元家(やすとみもといえ)さんが率いているんだよ


富子「…政元殿、細川軍の力を温存してますね?」

政元「…それは…」

政元はドキッとした。




富子「それは義材を排除するためでしょう。私にはわかります。」

政元「お見通しでしたか…」

富子「そなた、義尚から政を託されたでしょう?…足利にはその力はもうないと。」


政元はさらに驚愕した。まさにその通りだったからだ。


富子「私も同じ思いなのです。我が夫、義政(よしまさ)公の時代から足利の力は陰りを見ていました。義尚も将軍になり、それを感じたのでしょう。」

政元「義政公は自らのご存命中は動くなと言われ、後は好きにしてよいと言葉を残されました。」

富子「義材は自らの力を誇示するためにさらに戦をするでしょう。それは民のためになりませぬ。応仁の乱で苦しんだ私には今は民を守ることこそが政。それを義材はわかっておりませぬ。」

政元「大御台様(富子のこと)も此度の戦は反対されていたとか…」

富子「はい、されど義材には聞き入れてくれませんでした…政元殿、私はそなたを支持します。」

政元「…ありがとうございます。」


富子は老いたとはいえ、幕府に大きな影響を与える人物、政元はその後ろ盾を得たのだ。


富子「政元殿、民の声を大切にする…それを約束しなさい。」

政元「わかりました。」

富子「任せましたよ…それと、そなたは九条家より養子を迎えたとか。」

政元「はい、九条政基(くじょうまさもと)の子を我が子としました。」

富子「後継ぎは争いの元になります。その争いは政にも差し障りがあります。そこは慎重に考えるのですよ。」

政元「…はい。」



政元は簡単に返事をしたが、この事が後に政元に大きくのし掛かってくることになるのだ。





延徳4年改め元号が代わり明応元年(1492年)10月になり、義材(よしき)は自ら出陣し、六角征伐を進めた。

六角高頼(ろっかくたかより)は甲賀から伊勢に逃げたが、そこで伊勢の北畠氏(きたばたけし)の攻撃を受け潰走したのだ。


義材「六角め、もはやこれまでだな。」




義材はこれ以上の深追いはせず、陣を引き払い、12月に京に凱旋したのだ。

コアラ前回の六角征伐で義尚さんが長く陣を引いたことを踏まえて、さっさと引き払ったんだね







政元は事を確実にするために、もうひとつ動き出した。


政元は自らの姉・洞松院(とうしょういん)に会いに行った。


政元「姉上、お願いがございます。」

洞松院「なんです?改まって」

政元「還俗してほしいのです。そして…赤松政則(あかまつまさのり)殿に嫁いでほしいのです。」

洞松院「なんですって!?」







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







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