世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
『政元、帰京せよ!』
越後国・上杉房定(うえすぎふささだ)の館にいる細川政元(ほそかわまさもと)の元に京の将軍、足利義材(あしかがよしき)から報せが入ったのだ。
政元の忍び、紗奈(さな)の配下の者から、その報せは入ったのだ。
紗奈「六角高頼(ろっかくたかより)が押領した寺社の領地を返さず、それが御所様(義材のこと)の逆鱗に触れて、六角征伐を行なうようです。」
政元「まったく…同じ事を…ならば京に残したわしの家臣、安富元家(やすとみもといえ)に任せよう。わしは奥州に行く。」
房定「政元殿、今は御所様の命に従い、一旦は帰京しなされ。今後の計画の触りになりかねん。」
政元「確かに大事の前に疑われることがあれば…わかりました。奥州に行きたかったし、伊豆にも行きたかったが…仕方あるまい。」
房定「伊豆は足利政知(あしかがまさもと)様が亡くなり、ひと騒動あるかもしれん。わしが見張っておこう。」
政元「伊豆の近隣の駿河には伊勢盛時(いせもりとき)がおりまする。元は足利義政(あしかがよしまさ)公、義尚公の申取次で、今は今川氏に仕えております。その者を使ってくだされ。」
房定「伊勢殿…今川氏の御家騒動を治めたとか。わかりました。」
政元らは帰京することにした。
政元が帰京の準備をしている時、房定は紗奈に声をかけた。
房定「政元殿が奥州に行きたがるのは…修験道の修行か?」
紗奈「はっ、はい。なぜそれを…」
房定「そなたらの山伏の姿、それに奥州は霊山があり、修験道の修行の場所と聞く…それらから察したのだ。」
紗奈「おっしゃる通りでごさいます。殿は2、3年前から修験道を極めようとしています。」
房定「人の信じる事にとやかくは言わないが…政と混同してはならぬ。それが政を担うものだ。そこを注意するようにな…」
房定の指摘は紗奈が心配していたことであった。
房定に見送られ、政元らは越後国を後にした。
政元らは帰京したが、政元が守護である丹羽国ではまた国人一揆が起こっており、政元の家臣の上原賢家(うえはらかたいえ)が鎮圧にあたっていたが、うまくいっていなかった。
政元は丹羽の国人一揆の鎮圧を優先させたいと考えていたが…。
つづく…
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