天狗将軍 〜第65話 政元と房定〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。



「将軍、足利義材(あしかがよしき)様を追放いたす。」


細川政元(ほそかわまさもと)は上杉房定(うえすぎふささだ)にはっきりとそう言った。


コアラ房定さんは越後国の守護だね


房定「ほぉ…追放するのか…将軍はいらぬと申すか?」

政元「もはや足利氏に将軍として世を治める力はありませぬ。先の応仁の乱を見ても、それは明らか。東国においても、足利氏は大乱の種にしかなっておらぬ。」



コアラ東国で起こった大乱って享徳の乱なんだ。応仁の乱より早くに起きて、終息するまで28年もかかったんだよ。


房定「確かに東国での享徳の乱足利成氏(あしかがしげうじ)様が原因だった…では足利氏を排除すると?」

政元「いや…傀儡にいたす。かつての鎌倉幕府北条氏のように将軍はお飾りにおいて置きます。」





コアラ鎌倉幕府は源氏の将軍が滅んだ後、将軍を置いて北条氏が政を仕切ったんだよね。


房定「なるほど…」

政元「時代は変わった…新たな政の形を作らねば、世は争乱が続きます。」

房定「…それで、政元殿はわしに何をせよと申すのか?」

政元「房定殿は見ているだけでよいのです。」

房定「わしに手を出すなと言うことですな?」

政元「はい、東国で権力があるのは房定殿。今まで通り、越後から東国を見張ってて頂きたい。」

房定「ふっ…はははっ」

房定は大笑いをした。


房定「わかり申した。事がなるまでは、政元殿の言うようにいたそう。その前にひとつ聞きたい。伊豆の堀越公方足利政知(あしかがまさとも)様はいかがいたす?」

政元「これも利用いたすが…わしが手を出さずとも、いずれは消えることになるでしょう。」

房定「確かにな…しかし、大胆なことを思いついたものだ。まぁ、しばらくは東国でゆるりとなされ。」

政元「はい、この後は奥州にも行きたいと思っておりまする。」

房定「奥州?」

政元「政とは関係なく、奥州の山々を見たいのです。」


房定はこの時の政元が何を考えてるか、計ることはできなかった。



政元らは旅の疲れを房定の館で癒した。



しかし…その報せは突然入った。

延徳3年(1491年)4月…


房定「政元殿、伊豆の足利政知様が亡くなられた!」

政元「なんと!」

房定「病のようだ…後は嫡子の潤童子(じゅんどうし)が継ぐようだか…」


政元も房定も伊豆でひと騒動起きる予感がした。


さらにもうひとつ報せが入った。

それは政元の忍び、紗奈(さな)からもたらされた。


紗奈「殿、我が忍びからの報せで京の御所様(義材のこと)が帰京せよと申しておりまする。」

足利義材

政元「わしに帰ってこいと?なぜだ?」

紗奈「近江の六角征伐をするようです。」

政元「六角征伐…またか…」





伊豆と京、足利氏がまた事を起こし出したのだ…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜








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