世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
延徳3年(1491年)1月7日、足利義視(あしかがよしみ)が亡くなった。
義視の子であり、将軍の足利義材(あしかがよしき)はいきなりの父の死に不安を覚えていた。
そんな義材に近づくものがいた。
義材の側近で公家の葉室光忠(はむろみつただ)である。
義材「父上…逝くのは早過ぎます。我が将軍になってこれからって時なのに…」
光忠「御所様(義材のこと)、私が義視様の分まで働きますゆえ、ご安心くださいませ。」
義材「光忠…頼むぞ。」
義視の葬儀の席で密かに細川政元(ほそかわまさもと)はほくそ笑んでいた。
政元『こんなに早く思い通りになるとは…呪文もやってみるものだな』
葬儀から帰ろうとする政元に1人の公家が声をかけてきた。
それは関白、九条政基(くじょうまさもと)であった。
政元「これは関白様…」
政基「此度は急なことで室町殿(義材のこと)も大変ですな。」
政元「まさに…」
政基「ところで、細川殿。以前よりお願いしていた儀はいかがにござりましょう?我が子を養子にしていただくことは…」
政元「あぁ、そのことですか…」
政基には嫡子の尚経(ひさつね)から20歳ほど離れた男子がいたのである。この時、2歳。
政元「では我が養子にいただきましょう。」
政基「おぉ、これはありがたい。」
政基としては細川家と繋がりを持ち経済的な潤いが欲しかったのであろう。
この養子になったのが後の細川澄之(ほそかわすみゆき)である。
この事に紗奈(さな)は不安に感じていた。
紗奈「殿…細川家と何のゆかりもないものを養子になれたのは理由があるのですか?」
政元「あの子は清晃(せいこう)様の母方の血筋。繋がりをもっておいてもよかろう。それに…わしには子がおらぬ…いや作るつもりはない。わしにはそなたがいればよい。」
政元と紗奈は男女の関係であったが子には恵まれなかったのだ。
政元「ところで紗奈、わしは明日にも東国へ行くぞ。」
紗奈「京を空けて大事ごさりませぬか?」
政元「今は何も起きまい。それより東国の大名と繋がりをつけておこう。これからの為にな…。」
政元は東国旅行へ出た。向かった先は越後国であった…。
つづく…
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