天狗将軍 〜第50話 倒れても酒〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次

 





世は争乱…


我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。





長享2年(1488年)夏、我は血を吐き倒れ、床に伏した。





細川政元(ほそかわまさもと)は医師に我の病状を聞いたようだ。



義尚「政元…我のこと、医師は何と言っておる?」


政元「…今は安静にすることが大事です。」


義尚「されど、六角高頼(ろっかくたかより)の兵がこの鈎の陣(まがりのじん)をかく乱しておる。放ってはおけない。」


政元「御所様には大名を初めとする軍勢がおりまする。」


義尚「大名は…本気で戦ってあるまい…さらに我が奉公衆も逃げ腰…我がいなければ…」


政元「…私が叱咤します。」





甲賀に逃げた高頼は甲賀の武士に命じ、かく乱戦法で我が陣まで襲ってきていた。



コアラこの甲賀の武士が甲賀忍者かな




政元は奉公衆に叱咤した。


政元「陣近くまで襲われるとは、貴様らは何をしておる!?」


我の側近でもある結城尚豊(ゆうきひさとよ)が反論した。


尚豊「敵は追いかければ逃げるばかり…戦にならぬ。」


政元「尚豊、そなたは御所様から近江守護に任じられたのであろう!守護が国を守れぬでどうする⁈ 戦にならぬと諦めるとは何ごとか!」




そこへ我が現れ、


義尚「政元…もうよい。尚豊らは下がれ。」




尚豊と奉公衆は下がった。


政元「御所様、起きてはなりませぬ。」


義尚「…すまない。だが放ってはおけなかったのだ。」



この時、我は居ても立ってもいられず酒を飲んでいた。


政元「御所様!酒を飲んではなりませぬ!医師から御所様には酒の害が病に影響しておると言われたのです!」


義尚「政元…酒は我の唯一の楽しみなのだ。酒は止められぬ。」


政元「なりませぬ!」





鈎の陣は富樫政親(とがしまさちか)が加賀一向一揆のために消え、尾張の斯波義寛(しばよしひろ)も陣を払い、奉公衆と尚豊らが内輪揉めを起こし、膠着状態に陥っていった。



コアラ富樫政親さんは加賀一向一揆で自害に追い込まれたんだよねさらに斯波義寛さんは朝倉さんと揉めていて、理由をつけて国に帰っちゃったんだ





こんな状態でも我は隠れて酒を飲んでいたのだ。





政元はこの状態を脱しようと動き出した。


政元「我が細川の力を持って、この戦を終わらせる!」





だが、これが政元に悲劇をもたらすことになったのだ…。







つづく…

コアラ次回をお楽しみに〜






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