天狗将軍 〜第46話 将軍を諫める〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次

 




世は争乱…


我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。






我が母、日野富子(ひのとみこ)の居る小川御所を出た細川政元(ほそかわまさもと)と紗奈(さな)は我の居る伊勢貞宗(いせさだむね)邸に向かった。





政元は富子の命にて我に会いに向かっていたのだ。




政元「御所様は御台様(富子のこと)、大御所様(足利義政〔あしかがよしまさ〕のこと)と仲違いし、家族はバラバラだ…後継ぎがいても、この有様では妻を持つことに疑問を感じる…。」


紗奈「はい…されど殿は今のままでは、細川の御家が成り立ちませぬ。」


政元「わしはそなたがいれば、それでよい。わしはそなたが傍にずっといてくれればいいのだ。」


紗奈「…私は殿の乳母であり、忍びであります。」


政元「御台様はわしが女を知らぬと思っているようだが…わしの女は紗奈だけだ。」



政元は紗奈の手を握りしめた。





政元と紗奈はすでに男と女の関係にもなっていたのだ。



コアラ乳母と男女の関係になったのは義政さんと、その乳母、今参局(いままいりのつぼね)もそうらしいよ





この頃、我の奉公衆と父・義政の奉行衆が武力衝突をするほど揉めていたのだ。




コアラ奉公衆って将軍直属の武官部隊で奉行衆は文官の集団なんだ




我と義政の仲は最悪な状態だったのだ。





義尚「政元、よう来たな。」


政元「何やら物々しいようで。」


義尚「父の奉行衆が攻めてくるかもしれんから、備えておるのだ。」


政元「御所様…家族で揉めておる時ではありませぬぞ。御台様とも仲直りしなされ。」


義尚「おっ、我を説教しにきたのか?母上に言われてきたのか?」


政元「揺るぎない将軍家でなければ、京は荒れまする。それを申しておるのでございます。」



我はこの頃、酒を手元に置くことが常になっていた。



義尚「…政元、我は本当に将軍なのか?今だに父が政務から離れようとはせぬ。大名も父にお伺いを立てる…我は何なのだ⁉︎」


政元「……御所様、わしも一杯頂きます。」






政元は一気に飲み干した。



政元「わしには父はおりませぬ。父と争うことも学ぶこともできませぬ。御所様には御父上も御母上もおりまする。話すこともできまする…うらやましく思います。」


義尚「……」


政元「大御所様のやり方を真似する必要はありませぬが…大御所様のやり方を見る必要はあります。」


義尚「…わかった。」



我にとって政元は信用できる人物であった。





翌年、文明18年(1486年)義政は改めて政務から引退することを表明したのだ。






この頃、我や政元を動かす争いが起き始めていた。



それは京から離れた近江の地だった…。








つづく…

コアラ次回をお楽しみに〜







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