世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
文明14年(1482年)6月、摂津国の国人一揆及び河内国の畠山義就(はたけやまよしなり)追討のため、幕府の命を受けた細川政元(ほそかわまさもと)と畠山政長(はたけやままさなが)の軍が出陣した。
政長さんが追討したいって幕府に願い出たんだよね
追討軍は摂津に入った。
政元は摂津国の守護代、薬師寺元長(やくしじもとなが)にきつく厳命した。
政元「極力、民には手を出すな。」
元長「民の中にも歯向かってくるものもおりまする。」
政元「あくまで国人衆を抑えるのが目的じゃ。民は利用されているに過ぎん。」
此度の摂津の国人一揆は摂津の国人衆が細川家の中枢から外れ、四国衆が占めていたことに対する不満から出たものと政元は理解していたのだ。
元長「わかりました。ただ…民を煽っているものがいるのです。」
政元「それは国人か?」
元長「いえ、国人すら、そのものに煽られてるような気がします。」
政元「…何やつだ?」
政元と政長の軍は一揆勢を抑え始めた。
勢いがあった一揆勢だったが、政元、政長の軍には敵わず、一揆は鎮圧されたのだった。
政元は逃げ惑う一揆を追うことはしなかった。
政元「追うな!奴らは降参したのだ。もはや抵抗しまい。」
元長「あっ!殿!あやつです!国人や民を煽っていたやつです。」
政元は元長が指を指す方向を見ると、
政元「あれは…天狗!」
政元は追いかけようとしたが、天狗はあっという間に消えてしまったのだ。
政元「元長!やつの正体は誰か?」
元長「いや…わかりませぬ。いつも天狗姿で現れていたようで。」
『天狗がなぜ一揆を煽るのか…?なぜわしの周りに天狗が現れるのか?』
政元は再び遭遇した天狗に因縁を感じていた。
摂津の国人一揆を鎮圧した夜…
政元は摂津の外れである人物と会った。
政元「…よう来られた。」
その人物は…
義就「ふっ、いつぞやの旅の小童が、立派な大将になりおったか…」
政元「…やはりばれていましたか…」
政元さんが四国へ旅した時、河内国で義就さんの一行と会っていたんだよね
義就「今からわしを討つ大将が何用か?」
政元「…わしは義就殿は討ちませぬ。」
義就「何⁈」
政元「わしは京へ帰ります…ここへは義就殿と和睦しに来たのだ。」
義就「和睦…それでわしを呼び出したと…」
政元はにやりと笑ったのだ…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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